テキスト形式の時系列データからアニメーションを作成してみよう!

先日の GISコミュニティフォーラムの「時系列データの可視化と解析」テクニカル セッションで行った、USGS(アメリカ地質調査研究所)の震源データを使って ArcGIS for Desktop で時系列アニメーションを作成する方法をご紹介します。

01


まず USGS のページにおいてマグニチュードや期間、範囲を設定し、Output Option のフォーマットで CSV を選択し、データをダウンロードします。
ダウンロードした CSV ファイルを開くと、time という行に時間、latitude に緯度、longitude に経度、depth に深度、mag にマグニチュードなどが格納されているデータであることがわかります。

02


それでは、作成してみましょう!

1. ポイント データに変換する
① [カタログ] ウィンドウ において、CSV ファイルを右クリックし、[フィーチャクラスの作成] → [XY テーブルから] をクリックします。

03


② [X フィールド] に longitude、[Yフィールド] に latitude を設定し、[入力座標の座標系] には 地理座標の WGS 1984 を設定します。

    出力の場所を設定し、[OK] をクリックします。

04


③ [標準] ツールバーの [データの追加] をクリックし、変換した震源ポイントをマップに追加します。

05


④ マップにポイントが表示されます。 背景用のデータが特にない場合は、ArcGIS Online の背景地図などを追加するといいでしょう。

06

2. シンボルを設定する

① [コンテンツ] ウィンドウにおいて、震源ポイント レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

② [シンボル] タブをクリックし、[数値分類] → [等級シンボル] を選択します。[フィールド] の値として [mag] フィールドを選択し、マグニチュードの大きさでシンボルのサイズが変わるように設定し、[OK] をクリックします。

07

08

3. 時間フィールドを作成する

変換したポイントデータの時間の属性は、文字列形式でしかも不要な文字列が含まれています。そのため、少し加工する必要があります。

09


① [ArcToolbox] → [データ管理] → [フィールド] → [時間フィールドの変換] をクリックします。

10_2


② 入力テーブルに変換した震源のポイント データ、入力時間フィールドに文字列形式で格納されているフィールドを指定します。

入力時間フォーマットにおいて、フォーマットを指定します。このデータの場合は「2016-04-20T20:16:52.830Z」 という形式なので、yyyyMMddTHH:mm:ss と入力し [OK] をクリックします。

11


③ ツールを実行すると、「time_Converted」というフィールドに 不要な文字列が削除され、かつ、Date 型に変換されたフィールドが作成されます。

12

4. レイヤーの時間を有効にする

① [コンテンツ] ウィンドウにおいて、震源ポイント レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

② [時間] タブをクリックし、[このレイヤーで時間を有効にする] チェックボックスをオンにします。
[時間フィールド] において、先ほど Date 型に変換したフィールド([time_Converted] フィールド)を指定し、時間ステップの間隔を設定し、[OK] をクリックます。

13

5. タイムスライダーでアニメーションを再生する

① [ツール] ツールバーの [タイム スライダー] をクリックします。

14


② [タイムスライダー] ウィンドウの [オプション] をクリックし、オプション設定を行います。

15


③ [時間表示] タブにおいて、[タイム ウィンドウ] を [時間ステップの間隔] と同じ値にすると、その間隔に存在するすべてのポイントが表示されるよう設定することができます。[再生] タブでは、再生の速度を変更することもできます。[OK] をクリックすると設定が反映されます。

16


④ [タイム スライダー] ウィンドウにおいて、再生ボタンをクリックすると、アニメーションを再生することができます。

Slow_2

このように ArcGIS for Desktop では、簡単にテキスト形式の時系列データを地図上にプロットし、アニメーションを作成することができます。

■関連リンク

第12回 GISコミュニティフォーラム発表資料(サポートページへのログインが必要です。)