ジオデモグラフィック  データとは?

ジオデモグラフィック データとは、統計データや地理的データをもとに地域をクラスタリングしたデータです。
ArcGIS Business Analyst Desktop に搭載できる Experian Mosaic Japan は代表的なジオデモグラフィック データのひとつです。

■ 「Experian Mosaic Japan(通称:モザイク)」とは

消費者セグメンテーションデータの世界的権威であるロンドン大学の客員教授、リチャード・ウェーバー氏による監修の下、国勢調査や年収階級別推計世帯数、消費者購買行動データなどをベースに、ジオデモグラフィック分析手法によって、どのような特徴(ライフ スタイル)を持った居住者がその地域に多く住んでいるかを分類したデータです。

Experian Mosaic Japan(通称:モザイク)」とは

 

GIS で見るジオデモグラフィック データの分布

GIS で可視化することで、多摩川をはさんで、東京・神奈川の市区で大きくライフスタイルが異なることが分かります。また、同じ世田谷区内でも、エリア(町丁・字等)によって、異なるライフスタイルが存在することも分かります。

GIS で見るジオデモグラフィック データの分布

 

GIS を用いた分析手法

個人の嗜好が多様化している近年、エリアマーケティングにおいて顧客の「ライフスタイル」を基にターゲティングすることも必要になってきます。ここでは、ジオデモグラフィック データと GIS を組み合わせることで、どのような分析が行えるのかを紹介します。

ジオデモグラフィック データを地図上に展開

ジオデモグラフィック データを GIS 上でポリゴンと結合し、地図上に表示させることで、どのエリアがどのようなライフスタイルを持つエリアかを把握することができます。

ジオデモグラフィック データを地図上に展開

購買者のジオデモグラフィック タイプ別集計

メーカーや小売業では、ID-POS や EC サイト、会員カード等の普及により、購買者の居住地情報が入手できるようになりつつあります。
自社製品がどのジオデモグラフィック タイプ(ライフスタイル)に分類されているかを調べるために、地図上に自社製品情報を展開し、位置情報をキーにして、ジオデモグラフィック タイプ別に集計を行います。

購買者のジオデモグラフィック タイプ別集計

反応の良いジオデモグラフィック タイプの抽出

自社顧客が多く存在する「有望なジオデモグラフィック タイプ」を把握するために、顧客の構成比と地域の構成比で比較を行います。顧客の構成比を分子に、地域の構成比を分母にして「Index」を算出することで、自社商品に対して、反応の良いエリアを抽出します。

反応の良いジオデモグラフィック タイプの抽出

ターゲット エリアの効率的な抽出とマッピング

ジオデモグラフィック タイプごとに、反応率(Index)と市場ボリュームをチャート上にプロットし、分類した上でマッピングすることで、エリアターゲッティングを効率的に行うことができます。

ターゲット エリアの効率的な抽出とマッピング

4象限解析のコンセプト
・Core:市場ボリュームも反応率も高い順調なエリア。
・Developmental:市場ボリュームが大きいものの反応率が悪い、改善の必要があるエリア。
・Niche:市場ボリュームが小さいものの反応率が良いエリア。

 

ジオデモグラフィック データ × GIS の活用方法

販促活動への適用

ジオデモグラフィック データと購買データを組み合わせることで、商品に応じた戦略的ターゲットエリアを把握できるようになります。また、店舗商圏や折込エリア、ポスティングエリアを重ね合わせることで、優先すべき販促エリアを把握することができます。たとえば、同じ自動車でもクーペを嗜好するエリアと軽自動車を嗜好するエリアは異なります。

上記の分析をもとに、優先的に予算をかけるエリアを選定したり、販促方法やクリエイティブの改善を行うべきエリアを発見したり、販促活動の効率化が期待できます。

販促活動への適用
(左)クーペを嗜好するエリア、(右)軽自動車を嗜好するエリア

店舗戦略への適用

店舗商圏ごとに卓越するジオデモグラフィック タイプ(ライフスタイル)を把握することで、品ぞろえの最適化(マーチャンダイズ)を行うことができます。

店舗戦略への適用

 

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