さつまいもの統計データを地図で見てみよう (2/3) ~茨城県で生産が盛んな場所はどこ?~

はじめに

前回は、国内のかんしょ生産の概要についてご紹介しました。鹿児島県、茨城県、千葉県の順に、かんしょの生産が盛んということがわかりました。今回は、生食用かんしょの生産量日本一の茨城県にフォーカスしてみましょう。

※統計データではさつまいもを「かんしょ (甘薯)」と表記する場合が多いため、本記事でもさつまいもを「かんしょ」と表記しています。

茨城県内でかんしょの生産が盛んなのはどこ?

茨城県ではどの市町村でかんしょや干し芋の生産が盛んなのでしょうか。また、かんしょ以外の作物の生産状況はどのようになっているのでしょうか。
こちらの「茨城県の農業産出額と干し芋・かんしょの生産量」をご覧ください。


まず、マップ内 (注 1) のオレンジの棒グラフの「いも類の産出額」と黄色いポリゴンの「かんしょ生産量トップ 3 の市町村」に着目すると、県中央の太平洋沿岸で産出額が大きくなっています。かんしょは潮風や乾燥に強く、水はけのよい土壌でよく育ちます。県の中央から南部にかけて広がる「黒ボク土」は、火山灰由来の土壌で水はけがよく、かんしょ栽培に適しています。

また、干し芋は、充分な日光とミネラルたっぷりの潮風で乾燥させることでおいしく仕上がります。ピンクのハッチの「干し芋生産量トップ 3 の市町村」が太平洋沿岸部に位置することにも納得ですね。

チャートで茨城県の農業について見てみよう

次に、チャートにご注目ください。左上のシリアル チャートは「市町村別の農業産出額 (耕種合計) 内訳」を示しており、各市町村でどのような農作物が多く生産されているのかがわかります。

左下のパイ チャートは「茨城県の市町村別農業産出額 (耕種合計)」を示しており、各市町村の農業産出額がわかります。
これらのチャートを見ると、いも類産出額 1 位の鉾田市は、農業産出額の合計でも県内トップだということがわかります。

なお、今回チャートで使用したデータは「かんしょ」の産出額ではなく「いも類」の産出額ですが、茨城県 HP によると、県内の市町村別の「かんしょ」作付面積・生産量ともに鉾田市が 1 位 (注 2) のようです。というわけで、次回は茨城県でかんしょの一大産地となっている鉾田市を見ていきましょう。

チャートとマップを組み合わせた Web アプリケーションを作成してみたい方へ

本記事で使用した Web アプリケーションは、ArcGIS Dashboards で作成しています。ArcGIS Dashboards では、チャートやフィルターの設定を簡単に行うことができます。

今回のように、マップとチャートを同時に表示させることによって、対象地域のデータをまとめたい場合は、ArcGIS Dashboards が適しています (注 3)。

ArcGIS Dashboards の詳細についてはこちら

参考資料

(注 1)
こちらで使用しているマップは、レイヤーごとに元となるデータの縮尺が異なるため、境界線にずれが生じている部分があります。

(注 2)
こちらは平成 18 年度のデータです。このデータでは、茨城県全体のかんしょ作付面積が 6,430ha のうち、鉾田市のかんしょ作付面積は 2,330ha、茨城県全体のかんしょ生産量が 159,500t のうち、鉾田市のかんしょ生産量は 59,500t となっています。

(注 3)
Web アプリケーションの作成には、ArcGIS Online アカウントが必要です。

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