ArcGIS 9.x のデータ(マップ、レイヤ、ジオデータベースなど)を ArcGIS 10 で直接利用することはできますが、ArcGIS 10 で作成したデータを ArcGIS 9.x で使用するには、ひと工夫必要な場合があります。ArcGIS 9.x で使用できるようにするための方法をいくつかご紹介します。
■ マップ ドキュメント(*.mxd)、レイヤ ファイル(*.lyr)を 9.x 形式で保存する
1. ArcMap 10 で保存したマップ ドキュメントを開きます。
2. [ファイル] メニュー → [コピーを保存] をクリックして、[ファイルの種類] で保存したいバージョンを選択してマップ ドキュメントを保存します。
3. レイヤ ファイルを共有したい場合は、ArcMap のコンテンツ ウィンドウで対象のレイヤを右クリックし、[レイヤ ファイルとして保存] からレイヤを保存します。
別のコンピュータ上でこれらのデータを共有したい場合は、マップ ドキュメントやレイヤ ファイルが参照しているデータも一緒に共有する必要があります。
■ レイヤ パッケージ(*.lpk)で共有する(ArcGIS 9.3.1 以降)
上記で紹介した方法の場合、データの受け渡しの際に、参照しているデータの一部を渡し忘れてしまう、データへの参照パスが崩れてしまうなどの問題が発生する可能性があります。この問題を解消するのがレイヤ パッケージです。レイヤ ファイルと参照するデータの両方が 1 つのパッケージにまとめられるので、データの受け渡しが簡単です。
1. ArcToolbox → [データ管理ツール] ツールボックス → [パッケージ] ツールセット内にある [レイヤのパッケージ化] ツールを起動します。
2. [入力レイヤ] にパッケージに含めたいレイヤを追加し、[パッケージ バージョン] に「9.3.1」を指定してツールを実行します。
■ 9.x のジオデータベースにデータを保存する(9.1 以降)
マップ ドキュメントやレイヤ ファイルを 9.x 形式で保存したとしても、参照しているデータがバージョン 10 のジオデータベースに保存されている場合、ArcGIS 9.x では、そのファイルを開くことができません。バージョン 9.x のジオデータベースを作成して、データを保存し直す必要があります。
1. ArcToolbox → [データ管理ツール] ツールボックス → [ワークスペース] ツールセット内にある [パーソナル ジオデータベースの作成] または [ファイル ジオデータベースの作成] ツールを起動します。
2. バージョンを指定して、空のジオデータベースを作成します。パーソナル ジオデータベースの場合は 9.1 以降、ファイル ジオデータベースの場合は 9.2 以降を指定することができます。
3. 作成したジオデータベース内にデータをコピーします。
※いずれの方法も、保存先のバージョンで実装されていない機能については削除されますのでご注意ください。旧バージョンへ保存した場合に削除される機能の概要については Web ヘルプ をご参照ください。