「知って!学べる! SAR 分析チャレンジ」に参加してきました

2019 年 4 月 12 日、19 日、5 月 17 日の 3 回に分けて開催された「知って!学べる! SAR 分析チャレンジ」に参加し、ESRIジャパン チームが NICT 賞を受賞しました。

「知って!学べる! SAR 分析チャレンジ」とは、情報通信研究機構 (NICT) が主催した SAR について知って学べる分析チャレンジ プログラムです。SAR データを使った分析を、専門家によるサポートを受けながら学び、SAR データを活用した防災マップを作成していきます。本イベントはチームを組んで一つの防災マップを作成します。

弊社からは 3 人が参加しました。

5 月 17 日 (金) を成果発表日とし、4 月 12 日 (金) の初日は SAR データの分析プログラムのハンズオンやどのようなマップを作成するのかアイデア出しを行ったりしました。

4 月 19 日 (金) は自由参加の作業時間と各チームで作成することになったマップの概要を発表し合いました。作業を行う中での不安や疑問などは専門家に質問することができます。その後、成果発表日までは各チームで作業を進めます。

このイベントではチャット アプリ (Slack) を使って専門家に質問することができ、成果発表の最終日まではチャットで質問しながら作業を進めました。

詳細は、イベントHPをご覧ください。

ここでは、弊社が発表したマップをご紹介します。

弊社チームは「農地の被害状況の把握マップ」と題し、地震・風水害などの災害発生時において、現地調査が困難な状況を想定し、農業関係者が被害状況を分かりやすく把握するためのマップを作成しました。

本イベントで使用できる SAR データは、NICT が開発した航空機搭載合成開口レーダ (Pi-SAR2) により観測されたデータです。2011 年の東日本大震災時の仙台空港周辺の 1 時期の画像と 2013 年の熊本県地震の阿蘇山周辺の 2 時期の画像があり、その中から仙台空港周辺の画像を選択しました。

SAR データの分析には専門家が用意した SAR データ分析プログラムが利用でき、オンライン学習やハンズオンで SAR データから浸水領域の抽出画像や四成分電力画像を作成することができました。それを基に浸水域やガレキの抽出を行いました。

詳細は発表資料をご覧ください。

分析結果は、ArcGIS Online の Web アプリで構築し、「農地の被害状況の把握マップ」としました。


※画像をクリックすると、アプリを見ることができます

左上のサマリー ウェジットの【ガレキ量 (全体) 】をクリックすると、表示範囲内におけるガレキの量の集計数が表示され、【ほ場内のガレキ量】をクリックすると、表示範囲内におけるガレキが抽出されたほ場数とそのガレキの総面積が表示されます。

今回作成したマップ内の SAR データの分析結果は検証や精度分析も行っておりませんので、あくまでも浸水領域やガレキの抽出ができた場合と考えていただくと幸いです。

SAR データは全天候型であり、夜間でも撮影を行うことが可能です。また広域かつ高分解能な SAR データを使用することで、災害直後からさまざまな分析・状況把握を行えます。

ArcGIS プラットフォームを使用することで、SAR データを使用した分析結果を身近に分かりやすく伝えることが可能になります。

フォローする