2025 年 2 月に ArcGIS Location Platform がアップデートされました。
本記事ではアップデートされた内容について、米国 Esri 社 ArcGIS Blog の「New Location Services and Updated Data: Explore What’s New for ArcGIS Location Services」を翻訳してご紹介します。
リリースごとに、Esri がホストするロケーション サービスに新たな改良が加えられています。今回のアップデートでは、マッピング アプリケーションを開発する開発者をサポートするエキサイティングなアップデートが多数あります。ベータ版としてリリースされた新しいサービスやベータ版から正式版に移行するサービスなどの新機能についてご紹介します。
2024 年 8 月にベータ版としてリリースされた標高サービスは、1 つまたは複数の場所の標高をすばやく、開発者にわかりやすく提供します。このサービスは、陸地と水域の両方の標高を提供します。
スポーツ関連のソリューションでは道路やトレイル沿いの標高変化の測定や、環境科学者やエネルギーまたは公共事業分野の組織では地中や地下の深さを評価など、さまざまな業界で幅広い用途があります。現在、このサービスは ArcGIS Location Platform ユーザーのみが利用可能です。標高サービスの詳細については、Elevation をご覧ください。
2024 年 8 月にベータ版として初めて導入された静的ベースマップ タイル サービスは、ベクター タイル ベースマップへのアクセスという課題に対処するために設計されました。
多くの場合、Web Graphics Library (WebGL) が無効または非アクティブの古い Web ブラウザでは、ブラウザ内でインタラクティブなビジュアル コンテンツが表示されません。また、クライアント用のベクター タイル レンダリング ライブラリを含めることができないため、アプリケーションを構築する開発者にとって大きな障害となります。
静的ベースマップ タイル サービスは、アプリケーション用の静的なラスター タイルを開発者に提供します。ラスター化されたベースマップ タイルを PNG フォーマットで表示するアプリケーションを構築し、ベクター タイル ベースマップのレンダリングに代わるものを提供することができます。ラスター タイルは、Streets、Navigation、Topography、Outdoor などの複数の ArcGIS スタイルで利用できます。この新しいサービスを支える地理データとスタイルは、ベースマップ スタイル サービス (ベクター タイル) から提供されています。
このサービスは、ArcGIS Online および ArcGIS Location Platform からアクセスできます。 詳細は静的ベースマップ タイル サービスをご参照ください。
ベータ版として提供予定の静的マップ サービスを使用すると、開発者はベースマップからマップ画像を作成し、インタラクティブなマップが適していない Web サイトやアプリケーションに埋め込むことができます。これらの画像は、マッピング ライブラリや API を必要とせずに、Web やモバイル デバイスに表示できます。
例えば、旅行アプリは定義されたツアールートを表示するために利用でき、交通ソリューションは物流ネットワークを可視化するために利用できます。またイベントベースのアプリは参加者に道順を提供するために、このサービスを利用することができます。このサービスは一般的に利用できるようになった時点で ArcGIS Location Platform のユーザーがアクセスできるようになります。Early Adopter プログラムを通じて、近日中にサービスを試すことができます。
ラスト マイル デリバリー サービスのベータ版は 2024 年 6 月に導入され、一般にラストワンマイルと呼ばれる配送の最終段階に関連する課題に対処することを目的としています。ラスト マイル デリバリー サービスを利用することで、開発者は、1 つの配送センターから複数の最終顧客に荷物を配送するプロセスを合理化するアプリケーションやビジネス システムを構築することができます。このサービスは、コスト削減、配送スピードの向上、顧客満足度の向上、業務効率の改善など、最終的にビジネスに利益をもたらします。
このサービスは、各注文の場所や時間帯、各車両の積載量などの要素を考慮しながら、注文に対するルートの割り当てと順序を最適化します。このサービスは、輸送や物流に関連するクライアント アプリケーションを構築する開発者にとって役立ちます。
ラスト マイル デリバリー サービスは、ベータ版から正式版に移行し、ArcGIS Location Platform ユーザーが利用できるようになりました。詳細はこちらのブログ記事をご参照ください。
ジオエンリッチメント サービスは、ロケーションベースの意思決定を強化する Esri がホストする堅牢なデータおよび分析機能を提供します。このサービスは、詳細なレポート、インフォグラフィックス、および表形式のサマリーを通じて、世界中の人口統計、消費者行動、およびビジネス環境に関する有意義なコンテキストを追加することで、ユーザーのデータを強化します。ジオエンリッチメント サービスは、さまざまな ArcGIS 製品に統合されています。
2 月の更新情報は以下の通りです。
その他の更新についてはヘルプ ページをご参照ください。
Esri では、ArcGIS 製品全体で最新かつ高品質の POI データを提供するために、多大なリソースを費やしています。定期的な更新は、ビジネスや場所の動的な性質を正確に反映するために非常に重要です。
2025 年 2 月リリースのハイライトは以下の通りです。
POI データは、以下のソースに基づくデータで、さまざまな ArcGIS 製品および機能をサポートします。
Data Axle (データの範囲: アメリカ、カナダ)
Region | Data Vintage Update | Records |
United States | November 2024 supplier vintage | 13 million+ |
Canada | November 2024 supplier vintage | 1 million+ |
SafeGraph (データの範囲: アメリカ、プエルトリコ、カナダ)
Region | Data Vintage Update | Records |
United States | December 2024 supplier vintage | 15 million+ |
Puerto Rico | December 2024 supplier vintage | 10,000 |
Canada | December 2024 supplier vintage | 1 million+ |
各ソースからのデータがどのようにArcGIS 製品を通じて配信されるかについては、ドキュメントをご参照ください。
またプレイスの新機能とデータへのアクセス方法については、それぞれヘルプ ページをご参照ください。
本記事では ArcGIS Location Platform の新機能についてご紹介しました。これらの最新の進化により、ArcGIS Location Platform は、堅牢でスケーラブルな位置情報サービスを求める開発者にとって最適なソリューションであり続けています。ArcGIS Location Platform では、Web アプリやネイティブ アプリを構築するためのマッピング SDK や API も利用できます。ArcGIS Maps SDK、オープンソース ライブラリ、スクリプトおよびサービス API が含まれます。さらに、開発者は、データ管理ツールを使用して、アプリケーション用のコンテンツやデータを作成、準備、管理できますので、ぜひご活用ください。
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