Excel データを簡単にマップに可視化するための Microsoft Excel の アドイン ArcGIS for Excel が 2025 年 6 月にバージョン アップしました。本ブログでは、このバージョン アップで追加された新機能と機能強化についてご紹介します。
ArcGIS for Excel のインストールについてはヘルプ「ArcGIS for Excel のインストールと管理」をご参照ください。
新機能
ジオメトリーの編集
ArcGIS for Excel で、フィーチャのジオメトリーを描画、編集できるようになりました。Excel のテーブルをデータソースとするレイヤーだけでなく、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise (以下「ArcGIS プラットフォーム」) から追加したフィーチャ レイヤーのジオメトリーも編集でき、Excel 上で効率的なデータ編集を行うことができます。
ジオメトリーを編集する手順の例は以下の通りです。
- ArcGIS for Excel にサイン インします。
- Excel データか ArcGIS プラットフォームからレイヤーを追加します。
- ArcGIS プラットフォーム上のフィーチャ レイヤーを追加した場合、レイヤーのテーブルを Excel に追加します。
- Excel のテーブル上でジオメトリーを編集したいフィーチャの行を 1 つ選択します。
- 上部の [データのマッピング] をクリックしてタブを開き、[ジオメトリーの編集] をクリックします。
- 表示されたウィンドウで必要に応じて位置情報のタイプを選択し、ジオメトリーを編集します。この際、[位置情報のタイプ] で [マップでジオメトリーを描画する] を選択すると、マップ上でフィーチャを編集したり、任意の位置に移動したりできます。
ArcGIS プラットフォーム上のフィーチャ レイヤーのジオメトリーを編集するには、レイヤーの編集権限と必要なライセンスを持っている必要があります。詳細はこちらのヘルプ「ホスト フィーチャ レイヤーの編集の管理」をご参照ください。
また、ArcGIS プラットフォーム上のレイヤーが操作対象の場合は、ラインやポリゴンのジオメトリーも編集できます。
- [保存] をクリックしてジオメトリーの編集を保存します。
新たなカスタム関数
ArcGIS for Excel では Excel の関数のような地理情報に関する ArcGIS のカスタム関数を利用できます。今回のアップデートでは 6 個の新たなカスタム関数が追加され、より多くの地理的な解析を実行できるようになりました。今回追加されたカスタム関数の概要は以下の通りです。
- GETPOLYGONAREA: ポリゴンの面積を計算
- GETGEOMETRYLENGTH: ラインの長さまたはポリゴンの周囲長を計算
- GETCENTROID: ジオメトリーの重心を計算
- GETGEOMETRYDISTANCE: 2つのジオメトリー間の測地線または平面距離を計算
- RELATEGEOMETRIES: あるジオメトリーの別のジオメトリーとの空間関係 (含む、接する等) を把握
- GENERALIZEGEOMETRY: Douglas-Peucker アルゴリズムを使用してジオメトリーを単純化
ArcGIS のカスタム関数の利用についてはヘルプ「関数ビルダー ツールの使用」をご参照ください。
機能強化
データの一括追加
ArcGIS プラットフォーム上のフィーチャ レイヤーにデータを追加する際、複数行のデータを一括で追加できるようになりました。コピー アンド ペーストで複数のデータを追加した場合も連続した操作でフィーチャを追加でき、作業時間を短縮できます。ArcGIS プラットフォーム上のレイヤーにデータを追加する方法については以前のブログをご参照ください。
最後に
ArcGIS for Excel では、使い慣れた Excel の画面で ArcGIS を使用でき、GIS 初心者の方でも手軽に地理的な可視化や解析が利用できます。簡単な操作で使い始められるので、この機会にぜひお試しください。
ArcGIS for Excel の新機能の詳細についてはこちらのブログ (英語) をご参照ください。