ArcGIS Pro を学ぶための本 『五訂版 GIS と地理空間情報 ArcGIS 10.7 と ArcGIS Pro 2.3 の活用』

先日 ArcGIS Pro を学べる書籍を探している方にお薦めの本『五訂版 GIS と地理空間情報 ArcGIS 10.7 と ArcGIS Pro 2.3 の活用』が出版されましたのでご紹介します。

この表紙をご覧になって、お気づきの方もいらっしゃるかもしれません。本書は 2011 年に初版が出版され、目まぐるしく変わる IT や GIS の技術の進歩に合わせて改訂を重ねている GIS コミュニティーの中で有名な本の 1 つです。

今回の五訂版では ArcGIS Pro の操作について大幅に内容を追加するなど、ArcGIS Pro を使用し、ジオデータベースでデータ管理するユーザーが増えている現状に合わせて、本書も進化しています。では、中身を見てみましょう。

第 1 部では、GIS の基本概要と座標系について解説されています。GIS 初心者にとっては、ここを読むことで GIS でどのようなことができるのか把握することができます。また、既に ArcGIS を使用しているユーザーの方で座標系が苦手な方は、本書を読むことで座標系の知識を整理できることでしょう。

第 2 部では ArcMap、第 3 部では、ArcGIS Pro の基本的な地図作成方法や解析方法が解説されています。基盤地図情報や国勢調査など Web から無償で使用できるデータを利用して手順を解説されているので、GIS データの入手方法を理解したり、実際のデータを操作したりしながら ArcGIS の操作を学ぶことができます。無償で入手できるデータは、ArcGIS で使用する場合、あらかじめ加工が必要な場合もありますが、本書は加工方法について丁寧に解説されていて、とても実用的です。また、教育機関や社内研修での GIS 実習のテキストとしても使用できるでしょう。

第 2 部と第 3 部では、それぞれ対応関係にありますので、ArcMap の操作と比較しながら、ArcGIS Pro の操作を学ぶことができます。ArcMap を使用しているユーザーで、ArcMap から ArcGIS Pro への移行を検討している方にとって本書は参考になります。

第 4 部では、フィールド演算や GPS データの利用、地理院地図の利用などについて ArcMap と ArcGIS Pro 両方の方法で解説されております。フィールド演算では、知っていると便利な Python を使用した演算が紹介されています。また、画像データから GIS データを作成するデジタイジングの方法についても紹介されています。

本書には、一通りの ArcMap と ArcGIS Pro の基本操作が解説されているだけではなく、Modelbuilder衛星画像の利用といった応用的な内容も解説されています。初心者だけでなく、中級者、上級者の方にとっても有益な一冊です。

■書籍情報

『五訂版 GISと地理空間情報 ArcGIS10.7 と ArcGIS Pro2.3 の活用』

編者 :橋本雄一

発行所 :株式会社古今書院

発行日 :2019 年 10 月 13 日 五訂版第 1 刷発行

定価 :本体 2700 円(税別)

※目次は古今書院様の Web サイトをご覧ください。

フォローする