調査票形式の現地調査アプリである ArcGIS Survey123 が 2022 年 8 月にマイナー バージョン アップされました。本アップデートで、Web デザイナーの選択形式の質問に関する機能の仕様変更がありましたので、本ブログでは主にその内容について紹介いたします。
仕様変更の内容
本バージョンアップから、公開済みの調査において、ドロップダウン、単一選択、複数選択などの「選択肢」を作成できる質問の選択項目を変更できなくなりました。公開済みの調査の ArcGIS Survey123 Web デザイナーの [設計] タブでは、選択形式の質問の項目はグレーアウトし、変更できません。
内容を変更したい場合は?
この仕様変更以降、選択項目を変更したい場合、[⊕] ボタンをクリックして、新しく項目を作成する必要があります。不要になった項目は [⊖] ボタンをクリックして削除します。
仕様変更となった背景
ArcGIS では、選択形式の項目はドメインとしてモデル化されます。ドメインには、コード (実際に格納される値、データ) とラベル (表示上のデータ) があります。ArcGIS Survey123 Web デザイナーでは、選択項目としてラベルを設定するだけで、コードとラベルがセットになったドメインを作成します。
コード | ラベル |
重要 | 重要 |
中 | 中 |
低 | 低 |
調査を公開すると、この質問に格納されるデータとして「コード」は確定するので、この後に Web デザイナーでラベルを変更すると、ラベルがコードとは関係のないドメインになってしまう可能性があります。例えば、上記の表を上から「大」「中」「小」と Web デザイナーで変更しても、コードは変わらず「重要」「中」「低」のままです。調査結果の入力時は表示上問題ありませんが、調査結果を CSV や Excel スプレッドシートでダウンロードすると、コードでデータが格納されているので、調査結果として適切でないデータになる可能性があります。
少し不便な仕様変更なようにも見えますが、将来的に以前の仕様が要因となる問題に比べればわずかです。以前から ArcGIS Survey123 をご利用いただいております皆様には、恐れ入りますがご理解いただきますようお願いいたします。
年内のアップデート計画
年内は 9 月、10 月、12 月にアップデートが計画されています。以下は実装が計画されている機能の一部です。
- デザイナーでの空間計算
- 独自の ArcGIS Survey123 組織テンプレートを構成
- Web フォームのキャプチャ
- Microsoft Power Automate のレポート
- Web デザイナーでの多言語調査
今後も最新版の ArcGIS Survey123 を皆様の現地調査業務でお役立て下さい。