オフラインで Collector for ArcGIS を円滑に操作する 7 つのヒント

現地調査アプリ Collector for ArcGIS は、オフライン環境でも利用できますが、事前に少し設定を変えるだけで、オフライン環境での操作性が向上します。本ブログでは、Collector for ArcGIS をオフライン環境でスムーズに使用するためのヒントを 7 つご紹介します。

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※Collector for ArcGIS の使用が初めての方は、Collector for ArcGIS スタートアップ ガイドをご覧いただき、基本的な操作方法に慣れることをお勧めします。

1. オフライン環境での使用には、事前に設定が必要
オフライン環境で使用できるマップをダウンロードするためには、オフラインで使用したい Web マップの [アイテムの詳細] ページ で、[オフライン モードを有効化します。] のチェックボックスをオンにしておく必要があります。オフライン モードで利用できるレイヤーは、同期と編集が有効化されたフィーチャ レイヤー、同期が有効化されたタイル レイヤー、Esri のベースマップ レイヤーのみです。それ以外のレイヤーがマップに追加されている場合は [オフライン モードを有効化します。] のチェックボックスをオンにできません。
オフライン モードを有効化したマップを Collector for ArcGIS のマップ リストで表示すると、マップに [ダウンロード] の表記が出て、タップするとオフライン環境で使用できるマップをダウンロードできます。

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2. 初回のマップのダウンロード時と同期時に取得するデータを選択する
Web マップの [アイテムの詳細] ページ → [編集] → [高度な設定の編集] から、マップをダウンロードする際に、取得するデータを選択することで、ダウンロード時のデータ量を調節することができます。たとえば、下の図は編集可能なフィーチャ レイヤーに対してフィーチャと添付ファイルの取得を選択しています。

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Collector for ArcGIS でダウンロードしたマップは、下の図のように添付ファイル付きの既存フィーチャを表示します。

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このマップのレイヤーに対して、添付ファイルまたはフィーチャの取得を選択したそれぞれの場合のマップの見え方をご紹介します。

① [添付ファイル] のチェックボックスのみをオフにする
・既存のフィーチャの添付ファイルは、ダウンロードされずポップアップ内に表示されません。
・既存フィーチャの編集・新規でデータの収集ができます。

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② [フィーチャ] のチェックボックスをオフにする 

・既存フィーチャはダウンロードされず、マップに表示されません。
・新規でデータを収集することができます。 

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編集が許可されていない [読み取り専用レイヤー] に対して、[添付ファイル] のチェックボックスをオフにし、マップをダウンロードすると、マップには既存フィーチャは表示されますが、添付ファイルは表示されません。

3. 使用するマップやフィーチャ レイヤーの詳細を見直してみる
Collector for ArcGIS のパフォーマンスは、フィーチャ数だけでは決まりません。フィールド数、リレーションシップ クラスの有無、投影法、表示範囲の全てが表示パフォーマンスに影響します。たとえば、不要なフィールドは非表示に設定しているか、データの投影法がベースマップと一致しているか、表示範囲が適切かの検討が考えられます。 

4. 添付ファイル サイズの検討(iOS と Windows 端末)
収集した際に添付する写真のサイズを小さくしたり、添付する写真の数を少なくすることで、同期時にアップロードするデータ量を抑えることができます。Collector for ArcGIS の [設定] から [推奨添付サイズ] を選択し、添付時にカメラで撮影した際の写真の解像度を選ぶことができます。この設定は、既に撮影した写真をファイルから添付する際にも有効です。

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5. 同期するデータの検討
Collector for ArcGIS 上の [設定] → [プッシュのみ] 機能をオンにすることで、同期の際にオフライン状態の間に他のユーザーが編集した内容をダウンロードせずに、自分が編集した内容のみをサーバーに送ることができます。データ送信の際のデータ量が少なくて済むので、同期処理の時間を短縮することができます。

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6. 安定したネット接続を使用して、できるだけ頻繁に同期をおこなうこと
Collector for ArcGIS は、一度に最大 2GB までのデータを同期することができます。データ量が大きくなるとネットワークの安定性がより重要なため、オフィス内の Wi-Fi など、信頼できるネットワークに接続し同期することを推奨しています。一度にサーバーへ送るデータの量を減らすために、同期を頻繁に行うことで同期の失敗を防ぎます。万が一、同期に失敗した場合、異なるネットワーク環境で試してみてください。 

7. 本番前に一度試してみること
Web マップを作成し、さまざまなデバイス上でデータ収集や同期を試してみてください。Collector for ArcGIS は iOS、Android、Windows 10 端末で動作し、それぞれ App StoreGoogle PlayWindows ストアからダウンロードできます。

このように、Web マップ、レイヤー、アプリ上でオフライン環境の設定が色々あります。業務の用途に合わせて、設定を調節し円滑なデータ収集にご活用下さい。 

■関連リンク
Collector for ArcGIS スタートアップ ガイド
ArcGIS Online 製品ページ

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