2018 年 6 月 6 日にリリースした、ArcGIS Desktop の最新アプリケーション「ArcGIS Pro」のバージョン 2.1 の新機能を複数回に分けてご紹介しています。
今回は、空間統計ツールに追加されたクラスター分析の 3 つの新しいツールをご紹介します。
ポイント データ内のクラスターを検出するためのツールです。空間位置と指定した近傍数までの距離に基づいて、下図のようにパターンとノイズを自動的に検出します。クラスターを検出して、それぞれのパターンごとの特徴を調査していくことで、検出したパターンの意味を把握することができます。例えば、地震の震源データや交通事故・犯罪発生地点などの大量のポイント データを使って、目視では見つけにくい、隠れたパターンを可視化することができます。
交通事故発生地点のクラスターを検出
(データ出典: 鳥取県オープンデータ ポータルサイト 交通事故情報 交通事故-H28.csv)
データに位置以外の情報が含まれている場合は、多変量クラスター分析ツールを使用することで、属性データにアクセスして、類似の値を持つクラスターを作成するアルゴリズムに変数を渡すことができます。
例えば、国勢調査の統計データや顧客データなど、複数の属性に基づいてクラスターを見つける場合に対応できます。このツールの入力には、ポイント データとポリゴン データを使用することができます。
分析に使用するデータの属性値とクラスター サイズ制限に基づいて、空間的に隣接したフィーチャ クラスターを特定して、データの分布と各クラスターの適合状況を調べることができます。例えば、動物観察に関して収集したデータや土壌タイプなどに適用できます。
水質サンプルの酸素、硝酸塩、リン酸塩、および塩分の測定値に基づいてクラスター化
さらに、これらの3つの新しいツールは、データの出力時に、分析結果のメッセージとチャートを同時に作成します。出力データと併用することで、データについてより詳細に考察することができます。
ArcGIS Pro は従来のアプリケーション「ArcMap」と並行して利用することができます。使いはじめたい場合は「はじめての ArcGIS Pro」(サポート サイトへのログインが必要です)をご参照ください。ArcGIS Desktop 製品をお持ちでない場合は、トライアル版でお試しいただけます。
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