Workforce for ArcGIS で現場作業を改善する

皆さんは、Workforce for ArcGIS をお使いになったことはありますか?現場作業の計画、実施、報告、管理等を目的としたアプリケーションで、事務所と現場のコミュニケーションを円滑にし、現場作業と作業管理の質を向上するための機能が提供されます。今回は想定業務フローを示し、事務所での作業割当、作業指示、現場での入力、状況報告等の Workforce for ArcGIS の機能がどう利用されるかをご紹介します。

ワークフロー

業務フロー

現場作業の作業の流れは組織業務によって様々な流れが想定されますが、標準的には図1に示すようなフローが想定されます。筆者がこれまでに経験した調査業務もほぼ同様でした。1 日をサイクルとして進捗を把握し、当日の状況変更を加味しながら翌日以降の作業割当を調整するような運用の回し方が多かったと思います。

データの一元化

Workforce for ArcGIS は、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise と連携して動作します。Web で接続されるデータベースに作業指示・作業割当・調査結果等のデータを一元化して管理する点がポイントです。この構成により、インターネットに接続するクライアントはリアルタイムで同一データを参照して業務を進められます。現場作業と管理業務のコミュニケーションの円滑化や意思決定の迅速化が促進されます。

アプリケーション

図 1の業務フローには 6 つの作業項目があり、標準アプリケーションが提供されています※1。Workforce for ArcGIS には作業割当用の Web アプリケーションと現場作業用のモバイルアプリケーション(Android 版および iOS 版)があります。いずれも ArcGIS Online / ArcGIS Enterprise が管理する組織サイトのアカウントでサインインをして利用します。現場作業者の端末はプロジェクトで調達されるスマートフォンやタブレットの機種が異なるため、デバイスの種類に応じて、iPad および iPhone デバイスの場合は Apple Store、Android デバイスの場合 Google Play Store からダウンロード、インストールして利用可能です。なお、Survey123 for ArcGIS バージョン 1.6 以降および Collector for ArcGIS バージョン 17.0.3 以降が Workforce for ArcGIS と連携可能です。

※1 Navigator for ArcGIS は、現時点で国内未リリースです。

図1 現場業務を支援する ArcGIS Online とアプリケーション

事務所と現場の連携作業

事務所での作業

(1)作業割当

事務所の担当者は現場作業の担当割りを行います。Web アプリケーション(図2)内で対象箇所にポイントを配置し、現場担当者を割当てます。

(2)作業指示

次に割当てた作業の作業指示を行います。具体的には、作業期日、優先度、詳細内容を入力します。詳細内容は、PDF 等にまとめた手順書等を添付ファイルとして添付することも可能です。

図2 Workforce for ArcGIS による事務所と現場の連携作業

現場での作業

(1)作業一覧

現場作業者が Workforce for ArcGIS を起動し ArcGIS Online のアカウントでサインインをすると、自分に割振られた作業リストが一覧表示されます。優先度、期日等を確認し作業対象の項目を選択します。

(2)作業開始連絡

詳細画面で作業指示内容を確認します。場所、優先度、期日、添付されていれば詳細作業指示内容を確認します。必要に応じてメモを記入し、作業を開始する場合は、[開始] をタップします。[開始] をタップすると、ステータスが [開始] の状態に変更され、割当担当の画面上にこの割当作業が開始になったことが明示されます。

(3)記入票

調査等を実施して結果を記入するには、選択オプションボタンをタップし、[アサインメント地点で調査フォーム入力] 等のメニューを選択します。管理者が設定したフォームが表示されるので、調査結果等をフォームから入力します。

(4)作業完了連絡

フォームの入力作業が完了したら Workforce for ArcGIS に戻り、[完了] をタップします。ステータスが [完了] 状態になり、割当担当の画面上でも [完了] 状態にあることが明示されます。

最後に

これまでも ArcGIS Online / ArcGIS Enterprise とアプリケーションの連携による業務効率化の事例は多く生まれています。今回ご紹介した Workforce for ArcGIS の登場で、さらなる業務効率と品質向上が期待できるようになりました。事務所と現場の双方向のコミュニケーションの円滑化、現場の業務負荷軽減のために Workforce for ArcGIS の導入を検討してはいかがでしょうか。

■関連リンク

ArcGIS を学ぼう! ArcGIS Online & Apps 操作ムービー

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