ArcGIS Runtime SDK バージョン 100.11.0 のサポートを開始しました

Awift コード例

ArcGIS Runtime SDK (Android/iOS/.NET) の最新バージョン 100.11.0 を 5 月 27 日にサポート開始しました。この記事では、バージョン 100.11.0 で追加された主要な機能や変更点について紹介します。

各 SDK (Android/iOS/.NET) 共通のアップデート内容

ラベリング API

これまでのバージョンでは、ラベルを設定するには ArcGIS Pro、マップ ビューアー、シーンビューアーなどのツールを使用して事前に設定するか、アプリ上で JSON 形式で定義を作成してラベルを設定する必要がありました。そのため、コード内でラベル定義を変更するには、JSON を操作する必要があるため不便でした。

100.11.0 では、包括的なラベリング API が導入され、外観 (フォント、サイズ、色、ハローなど) 、表示スケール、配置、競合処理などを簡単に制御できます。

下記は、ベースマップを切り替えるときにラベルのサイズやフォント、ハローなどを動的に更新する Swift コードの例です。

Awift コード例

トゥルーカーブのサポート

ArcGIS Proで作成するモバイル マップ パッケージには、ArcGIS Runtime アプリで使用するためのトゥルーカーブ (曲線) ジオメトリを持つフィーチャ レイヤーを含めることができます。100.11.0 では、トゥルーカーブ ジオメトリのフィーチャを選択、クエリできるようになりました。将来のリリースでは、フィーチャ サービスのトゥルーカーブ ジオメトリも使用できるようになり、トゥルーカーブ ジオメトリの作成・編集、より多くのジオメトリ操作のサポートが追加される予定です。

ライセンスの変更

一般公開されたパブリック フィーチャ サービスをオフラインで編集するには、これまでは ArcGIS Runtime の Basic ライセンスが必要でしたが、100.11.0 から Lite ライセンスで利用できるようになりました。

従来のジオコード ロケーター形式 (*.loc) のサポート

100.11.x が、従来のジオコード ロケーターをサポートする最後のリリースとなります。次のリリース以降では、 新しいロケーター (*.loz) のみのサポートとなります。

各 SDK (Android/iOS/.NET) のアップデート内容

実行環境など、各製品固有のアップデート内容をご案内します。

ArcGIS Runtime SDK for Android

今回のリリースに伴うシステム要件等の変更はございません。

ArcGIS Runtime SDK for iOS

ArcGIS Runtime SDK for iOS については、バージョン 100.11.1 がリリース (国内サポート対象) されています。100.11.1 では、100.11.0 での OAuth ログインに関する不具合が修正されています。バージョンアップする際は 100.11.1 をご利用ください。

 

実行環境

iOS 12 は非サポートとなりました。100.11.x では iOS 13 以降が必要になります。

Swift Package Manager のサポート

SDK は Swift Package Manager に対応し、パッケージ リポジトリの URL (https://github.com/esri/arcgis-runtime-ios) を使用して、Xcode プロジェクトに簡単に統合できるようになりました。詳細はインストール ガイドをご参照ください。

iOS 固有の変更点の詳細は Esri Community の「ArcGIS Runtime goes to 11」の記事(英語)でも紹介されていますので、併せてご確認ください。

ArcGIS Runtime SDK for .NET

実行環境

Windows 10 バージョン 1803 (ビルド 17134) および 1809 (ビルド 17763) でのアプリの開発とデプロイのサポートが非推奨になりました。次のリリースでは、Windows 10 バージョン 1909 (ビルド 18363) 以降が必要になります。

Xamarin.Forms での iOS 12 は非サポートとなりました。100.11.0 では iOS 13 以降が必要になります。

Local Server

ArcGIS Runtime Local Server SDK 100.11.0 については、米国Esri社からリリースされておりません。ArcGIS Runtime SDK Local Server SDK 100.10.0 をご利用ください。

.NET 固有の変更点の詳細は Esri Community の「Announcing ArcGIS Runtime SDK for .NET 100.11」の記事 (英語) でも紹介されていますので、併せてご確認ください。

本記事では主要な項目についてご紹介しましたが、各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート (英語) をご覧ください。

関連リンク

米国Esri社 ブログ

ArcGIS Runtime SDK