令和 2 年国勢調査の全指標が利用可能に! ArcGIS Business Analyst 2023年版データをリリース

2022 年 11 月 24 日に、商圏分析・エリアマーケティング特化型 GIS ソリューション ArcGIS Business Analyst Pro (以降「BA Pro」) に付属するデータセットの最新版である「ArcGIS Business Analyst 2023 年版データ」 (以降「本データセット」) をリリースしました。

この記事では、本データセットの主な更新点をご紹介します。搭載項目の詳細は、データの仕様をご覧ください。

2020 年国勢調査・全指標の提供開始

最新の 2020 年国勢調査 小地域集計の結果を搭載し、関連するレポート等を更新しました。搭載指標も従来の基本指標 (248 指標) から全指標 (688 指標) に拡充しました。

例えば、今回更新した「住宅世帯・経年比較レポート」で埼玉県さいたま市にある浦和美園駅を起点とした 3 km 圏内を見てみましょう。このエリアは大規模な都市開発が進むエリアであり、2015 年から 2020 年にかけて新規マンションの竣工などがありました。その影響か、核家族世帯 (夫婦のみ、夫婦と子供) が増加しているにもかかわらず、1 世帯あたりの平均人員は 5 年間で 0.2 人減少していることが分かります。このように既存のレポート テンプレートでは最新の変数を使用しますので商圏内の各種変化が一目で把握することが可能となります。

その他に追加した変数は以下のようなものがあります。

  • 配偶関係別 人口(15歳以上)
  • 労働力状態別 人口 (15歳以上)
  • 従業上の地位別 就業者数 (15歳以上)
  • 産業別 就業者数 (15歳以上)
  • 5年前の居住地別 人口
  • 職業別 就業者数 (15歳以上)
  • 従業地別・通学地別 (15歳以上)
    その他多数

データセットの接続機能への対応

本データセットは BA Pro 3.0 から利用可能な「データセットの接続機能」に対応しました。Pro の[プロジェクション] タブ内の [Business Analyst] オプションから本データセットを接続することでインストール不要ですぐにご利用いただけます。接続方法の詳細は ArcGIS リソース集をご覧ください。

その他統計データの変更点

  • 2015 年国勢調査: 全指標の収録 (従来は基本指標)
  • 2020 年国勢調査メッシュ: 一部指標の収録

今回追加されたメッシュで東京都内の人口総数の増減率を比較すると、2015 年時点では、都心部の人口増加が全体的に見られていたのに対して、2020 年では人口増加は見られるものの局所的に収まっています。また 5 年前は人口が急増していた地点においても急減しています。これは 2020 年の国勢調査時において 新型コロナウイルスの影響により人の動きが停滞していたことに起因すると考えられます。

このように最新の情報を可視化することによって人口の変動が一目でわかります。

各種搭載データの更新

  • [市場占有率の計算] 及び [近傍の位置の検索]、[オーバーラップ測定] の解析レポートが日本語で出力できるようになりました。
  • BA Pro 3.0 以降でジオコーディングするときに必要となる、新しい形式の住所ロケーターを提供開始しました。
  • 街区レベル住所の元データを、令和 3 年度街区レベル、大字・町丁目レベル位置参照情報に更新しました。
  • 市区町村のすがたデータを 2022 年版に更新しました。
  • 目標物データのデータソースを、公共地図の公共施設や国土数値情報の病院などに変更しました。
  • 広域地図の元データを株式会社ゼンリン 地図データ(2020-3 版)から(2021-3 版)へ変更しました。
  • 公共地図の元データを、最新の数値地図(国土基本情報)(2022 年 3 月末時点)へ更新しました。

※ 本レポート テンプレートは BA Pro 3.0 以降で使用可能な [データセットの接続機能] を用いて本データセットを使用する際にご利用いただけます。

おわりに

最新の国勢調査データを搭載し、大幅な指標の拡充を図った本データセットは商圏分析やエリアマーケティングの強い味方となります。

ぜひ貴社の意思決定にご活用ください。

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