ArcGIS Velocity 2023 年 2 月のアップデートの新機能

IoT センサーやデータ ソース、その他 API などからデータを取り込み、リアルタイムのデータ フィードを処理、視覚化、解析することができる ArcGIS Velocity がアップデートされました。ここでは、2023 年 2 月のアップデートで追加された主な新機能や機能強化をご紹介します。

フィード、データ ソース、および出力

このリリースでは、フィード、データ ソース、および出力に関していくつかの機能強化が行われました。まず、新しい ジオタブ (LogRecord) フィード タイプでは、指定した URL に HTTP リクエストを送信することで、ジオタブ LogRecord データベース テーブルを定期的にポーリングして、リアルタイムの自動車両位置情報 (AVL) データを取得することができます。このデータベースは、追跡している車両のより詳細な移動情報を含む位置情報の追加ソースとなるため、ユーザーの皆様から頻繁にご要望をいただいていました。

この新しいフィード タイプのリリースに伴い、Velocity で利用可能な既存のジオタブ フィード タイプは、ジオタブ (DeviceStatusInfo) に名称変更されました。これは、指定した URL に HTTP リクエストを送ることで、ジオタブ DeviceStatusInfo データベース テーブルを定期的にポーリングし、リアルタイムの自動車両位置情報 (AVL) データを取得します。

次に、データ ソースに関しては、Amazon S3 および Azure Blob ストレージ ソースがネストされたサブディレクトリからデータを読み込めるようになりました。これにより、クラウド ストア内のデータ構成戦略の多様化に対応し、より多様なデータを取り込むことができるようになりました。

最後に、HTTP 出力に Basic 認証のサポートが追加されました。この認証タイプは、すでに HTTP フィードやデータ ソースでサポートされています。

解析

今回のリリースで強化された最初の解析機能は、Velocity アプリ内でリアルタイムデータをサンプリングして可視化する新しい方法です。具体的には、実行中のリアルタイム解析において、ノード単位でデータをサンプリングすることができるようになりました。これにより、ツールや解析ロジックの動作を把握し、より深く理解することができるようになりました。 データ サンプリングのユーザー エクスペリエンスには、データ属性と地理空間ビジュアライゼーションの両方が含まれています。

さらに、次のような、データ変換と時間経過に伴うデータ変化を解析するための既存のツールに、以下のような機能強化が行われました。

  • フィールド選択ツールが更新され、データのスキーマからジオメトリを削除できるようになりました。
  • レイヤーのマージ ツールが改良され、異なるスキーマを受け入れることができるようになりました。たとえば、マージされたスキーマの一方に余分なフィールドがある場合、マージ レイヤー ツールはそれらのフィールドを追加し、それらのフィールドを持たない他のマージされたスキーマのレコードに null 値を入力します。
  • トラック関数のサポートが拡張されました。特にフィールド演算およびフィールドの割り当てツールでの Arcade 式の評価に関して拡張されました。Arcade スクリプトで、前方または後方のタイム ウィンドウ表現をより簡単にテストできるようになりました。 全体として、トラック関数は、カスタマイズされた変化検出ロジックを作成する強力な機能を提供し、データの傾向をリアルタイムまたは長期的に把握することができます。

また、新しいユーザー エクスペリエンスとして、解析ノード レベルのメトリクスをグラフ コンポーネントで時系列に表示するようになりました。グラフに表示されるメトリクスは、解析プロセスの特定の部分を通るフローが時間とともにどのように変化したか (リアルタイム解析の場合)、または同じ解析の異なる実行でどのように変化したか (ビッグ データ解析の場合) をさらに詳しく知ることができます。

一般

このリリースに含まれる一般的な製品の機能強化に関して、使用している Velocity のバージョン、ライセンス レベル、サブスクリプションの有効期限など、ArcGIS Velocity サブスクリプションに関する追加の詳細を表示できるようになりました。 ESRI ジャパンのサポート サービスに問い合わせされる際に、この情報をお知らせいただくことで、質問や問題に迅速に対処できます。

また、分析ワークフロー ビューは、このリリースで非推奨のステータスになりました。つまり、今後、リアルタイム解析ビッグ データ解析の作成には、モデル ビューを使用することになります。

ArcGIS Velocity の次期リリース (2023 年 6 月予定) では、Velocity でワークフロー  ビューを利用できなくなる予定です。

参考情報

機能強化の完全なリストについては、ドキュメントの新機能を参照してください。製品に関するアイデア、拡張機能、機能に関する要望がある場合は、Esri Community の ArcGIS Velocity Ideas に投稿してください。

Velocity の詳細については、製品ビデオ、ラーニング パス、ドキュメントなど、利用可能なリソースを参照してください。

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