2020 年国勢調査データを搭載！ArcGIS Online / ArcGIS Business Analyst で使えるオンライン統計データの更新予定のお知らせ

2023 年 6 月に予定されている ArcGIS Online のバージョンアップに伴い、ArcGIS Online にサインインして利用できる日本のオンライン統計データが更新される予定です。

本記事では、本データの更新予定の内容について、一足先にご紹介します。

1 オンライン統計データとは？
2 更新内容
3 おわりに
4 関連リンク

オンライン統計データとは？

オンライン統計データとは、Esri が提供するロケーションデータの一種である Esri Demographics から配信されるデータおよびサービスです。世界 170 以上の国と地域をカバーしており、ArcGIS Online にサインインすることで、ArcGIS Business Analyst や ArcGIS Pro などの各種 ArcGIS 製品でご利用いただけます。

今回のアップデートでは、従来の 2015 年国勢調査ベースの統計データから 2020 年国勢調査をベースにしたデータに大幅に更新される予定です。日本では、複数のデータソースの統計データを利用できますが、今回更新されるのは「Esri ジャパン」データですのでご注意ください。

更新内容

区画の変更

上述の通り、ベースとなる国勢調査を 2015 年から 2020 年に変更するため、提供する区画も変更されます。最新の国勢調査の調査区 (町丁・字等や市区町村など) を利用した分析が可能となります。

岩手県遠野市宮守町の調査区を比較 (左: 2015 年、右: 2020 年)

データソースの年度の更新

国勢調査の年度変更のみでなく、各種推計データに利用するデータソースも変更します。ただし、推計将来人口はデータソースの更新が無かったため、今回は未更新です。今後の更新にご期待ください。

利用可能な統計データ	データソース	更新前の年度	更新後の年度
国勢調査	国勢調査	2010 年, 2015 年	2015 年, 2020 年
推計年収別世帯数	国勢調査	2015 年	2020 年
推計年収別世帯数	住宅・土地統計調査	2018 年	2018 年
推計貯蓄別世帯数	国勢調査	2015 年	2020 年
	住宅・⼟地統計調査	2018 年	2018 年
	家計調査（貯蓄･負債編）	2018 年	2021 年
推計消費額	国勢調査	2015 年	2020 年
	家計調査（家計収支編）	2018 年	2021 年
	統計でみる市区町村のすがた	2019 年	2022 年
推計将来人口	国勢調査	2015 年	2015 年
推計将来人口	日本の地域別将来推計人口	2018 年	2018 年

統計変数の新規追加および一部変数の削除

今回のアップデートで、原則、統計変数はデータの年度が変更されますが、統計項目自体は変更されません。たとえば、下の例のように同じフィールド名で年度の異なる統計変数が割り当てられます。

フィールド名 / 統計変数	更新前	更新後
D0001	2015 人口総数	2020 人口総数
P0001	2010 人口総数	2015 人口総数

なお、一部変数については、元の統計調査の内容の変更に伴い削除されます。詳細は、バージョンアップ後に公開予定のドキュメントをご参照ください。

按分集計時に利用する基本単位区データの更新

ArcGIS Business Analyst では、統計データの集計やインフォグラフィックスなどの商圏レポートの作成時に基本単位区データを使用した加重按分を行います。

今回のバージョンアップでは、使用される基本単位区データが 2020 年国勢調査および 2015 年国勢調査のものに更新されます。

基本単位区データを使用すると、人口の偏りを考慮した按分集計ができるため、面積按分と比べて高精度なデータ集計を実現できます。(詳細はこちら)

インフォグラフィックス・クラッシックレポートの更新

ArcGIS Business Analyst で作成できるインフォグラフィックスやクラシックレポートも更新する予定です。標準搭載のテンプレートに設定されている統計変数の年度を最新のものに更新し、レイアウト調整を行う予定です。

おわりに

まもなく、最新の国内統計データをご利用いただけるようになります。貴社の業務にぜひご活用ください。