柔軟なデザイン構成の Web アプリを構築できる ArcGIS Experience Builder が 2023 年 6 月にアップデートされました。本ブログでは主な新機能や機能強化についてご紹介します。
目次
主な機能強化
ビルダー画面
キャンバスでウィジェットを選択した際に、画面左下に階層リンク ナビゲーションが表示されるようになりました。各ウィジェットの階層構造がより簡単に把握できるようになりました。
新テンプレート
新しいテンプレートが追加されました。[空のウィンドウ] は空白のウィンドウを構成し、任意のウィジェットを挿入することで柔軟にウィンドウを構築可能なテンプレートです。また [フレーム] は容易にコンテンツを整理できる全画面のページ テンプレートです。
今回のアップデートで追加されたテンプレートは以下の 4 つです。
SQL 式ビルダーの強化
SQL 式の演算子に [次の間に含まれる]、[次の間に含まれない] が追加されました。
日付フィールドを含む式を作成する際、これらの演算子を使用して今後のイベントや有効期限などをフィルタリングできます。
SQL 式ビルダーを使用するウィジェットには、フィルター ウィジェット、クエリ ウィジェットがあります。また、データ ビューやメッセージ アクションといった機能でも SQL 式を使用できます。
新ウィジェット
ベースマップ ギャラリー
マップ ウィジェットに接続し、ベースマップを変更するためのパネルを追加可能なウィジェットです。
変更可能なリストは組織のベースマップ ギャラリーと同期させることも、カスタム ギャラリーを作成することも可能です。
スワイプ
マップ内のレイヤーもしくはマップ間の表示を、スワイプで切り替えることができるウィジェットです。レイヤーやマップを比較できます。
ウィジェットの機能強化
マップ レイヤー
各レイヤーの凡例を表示できるようになりました。また表示設定アイコンをチェックボックスに変更できるようになりました。
データの追加
検索ツールに [タイプ] ボタンが追加され、特定のデータ タイプに絞り込むことができるようになりました。
また事前に検索語を定義したデータ コレクションの作成が可能になりました。下図では「浸水」という検索語を事前に定義することで、「浸水」というワードが含まれるアイテムのみを返すように設定しています。
調査
マップだけでなく、テーブルやリストといったウィジェットから、フィーチャのジオメトリと属性を調査の質問に接続可能になりました。
調査ウィジェットと他のウィジェットが、同じデータ ソースを参照している場合に接続できます。下図ではリスト ウィジェットの属性を、調査の質問に接続しています。
マップ
アクション応答のパフォーマンスが大幅に強化されました。以前は 2 つのマップ ウィジェットを [範囲の変更] トリガーと [ズーム] および [画面移動] アクションで接続した場合、一方のマップ範囲を変更した際のもう一方のマップの応答に時間がかかりました。今回のアップデートによって、マップ範囲がほぼ同時に同期されるようになります。
また、[ズーム] アクションを設定した場合、マップの回転も同期するようになりました。
テーブル
シート ヘッダーの書式オプションが追加されました。
ヘッダー テキストのフォントの設定や、ヘッダーの背景色の選択が可能です。
Buisiness Analyst ウィジェット
描画ツールが新しく追加されました。本ツールを有効にすることで、マップ上の任意の位置をクリックしてポイントをプロットしたり、任意の形状のポリゴンをマップ上に描画したりして、インフォグラフィックスを実行するための入力レイヤーを作成することができます。
また、インフォグラフィックスの設定の一つである表示モード オプションの選択肢に「自動」モードが追加されました。「自動」モードを選択した状態でアプリのデバイス サイズを変更すると、その時点のサイズに最も合うようにインフォグラフィックスの表示モードが最適化されます。
例えば下図のように、デバイス サイズが大画面の場合には、表示モードとしてインフォグラフィックスの全画面を表示する「すべて」が適用されますが、小画面の場合は、小さい画面で結果を確認するのに適している「スタック」が自動的に適用されます。
今回のアップデートでは多くの機能の追加や機能が強化されました。その他の新機能についてはヘルプ (英語) をご参照ください。柔軟なレイアウトがさらに可能になった ArcGIS Experience Builder をぜひご活用ください!