- 消防車は、4分以内に燃えている現場に到着しなければならない
- フードデリバリーサービスは、30分以内に食事を配達しなければならない
このふたつの課題は異なる分野ですが共通点があります。
それは、消防署やレストランなどの固定された場所と、到達しなければならない目的地の場所を深く理解する必要があるということです。
どちらも、担当する業務を遂行するために地理情報システム(GIS)に目を向けました。GIS を使用すると、商品やサービスを輸送する組織は、テリトリーをマッピングし、最適なルートを見つけることができます。
カリフォルニア州サンルイスオビスポの消防署では、消防署が管轄するエリアを詳細に分析し、どこに新しい消防設備を設置するべきか、またどのレストランと提携するべきかを効果的に決定するためにGISが使われました。これにより、増加する需要に対応するための戦略的な投資が可能になりました。
GISで見るデータの関係性
カリフォルニア州ののどかなセントラルコースト沿いにある人口約5万人の都市、サンルイスオビスポは、最近、火災現場への到着時間が平均4分を超える市内のエリアに到達するための新しい戦略を模索しました。地元のリーダーたちは、新しい消防設備の用地を解析するために GIS テクノロジを活用しました。
市の IT 部門のメンバーで GIS スペシャリストの Ethan McGhee 氏は、「私たちは、一つの場所から出発し、できるだけ遠くまで行き、ここに消防設備を置いた場合とあちらに置いた場合にどこまで到達できるかを分析しています。」と説明しています。最適な消防設備の設置場所の候補地を見つけ出し、効率的な消火活動を目指していることがわかります。
McGhee 氏と同僚は、市内の火災対応区域のマップを使用して、GIS 解析を使用して、4 分の運転時間など、特定のパラメーター内で到達可能なエリアを特定しました。
フードデリバリーサービスのように、制限速度、ラッシュアワー、道路状況、重量制限など、目まぐるしい数の要因によってルートがどのように影響を受けるかをシミュレートしました。GIS 解析は、新しい道路建設などの将来の計画が配送時間や応答時間にどのように影響するかを組織が評価するのにも役立ちます。
フードデリバリーでは、効率が最優先
フードデリバリー会社には、消防署とは異なるニーズがあります。
例えば、配達ドライバーは1回の配達でいくつかの配達先などに立ち寄ることがありますが、ドライバーの職務に人命救助は含まれていません。ただし、途中にある流行りのレストランを記録しておくことで重要な投資を導くことができます。
GIS マップを使用すると、担当者はレストランから 30 分以内に何軒の家があるかを確認できます。サービスエリア内のターゲット顧客の人口統計や競合他社などを利用してより詳細な分析が可能になります。
A地点からB地点への運転は簡単に聞こえます。しかし、その移動に、天候から交通量まで無数の要因の影響を受けながら大都市圏を何千回も移動することを考えると、GIS がわたしたちの生活にとって不可欠な意思決定支援ツールである理由が明らかになります。