【Esri Japan AI Weeks】Business Analyst アシスタントの活用法

本記事は、ArcGIS で利用できる AI を紹介する Esri Japan AI Weeks 6 日目の内容です。ぜひ他の投稿もチェックしてみてください

本記事で取り上げる AI は2025 年 9 月現在プレビュー版での提供となっております。
ESRIジャパンで提供する Esri 製品サポート サービス開発者サポート サービスはご利用いただけませんので、あらかじめご了承ください。
また、本記事で紹介するプロンプトを使用しても、内部の処理や状況によって出力が異なる場合があります。
また、ArcGIS における AI の信頼性についてはこちらの記事をご参照ください。

はじめに

ArcGIS Business Analyst は、商圏分析・エリアマーケティングに特化した GIS ソリューションです。強力な解析機能に加え、国勢調査などの人口統計データや背景地図、住所データ、道路ネットワークデータが搭載されており、商圏分析や顧客分析などのエリアマーケティング業務を通じて、組織の意思決定を支援します。
本ブログ記事では、ブラウザーから利用可能なクラウド型 GIS である ArcGIS Business Analyst Web App に搭載されている、AI を活用したユーザー向け操作支援ツールである「Business Analyst アシスタント」の利用方法をご紹介します。

Business Analyst アシスタントの利用準備

Business Analyst アシスタントは組織の管理者が ArcGIS Online 組織サイトで AI アシスタント機能を有効化した場合にのみ利用可能です。ArcGIS Online 組織サイトで AI アシスタント機能を有効化する手順は以下の通りです。

  1. 管理者権限を持つユーザーで ArcGIS Online にサイン インします。
  2. [組織] → [設定] → [AI アシスタント] セクションで、[組織のメンバーによる AI アシスタントの使用を許可] トグルをオンにします。

Business Analyst アシスタントの利用方法

候補のプロンプトを使用する

Business Analyst アシスタントを効果的に利用する手段の一つに、アシスタントに対する質問として事前に用意された「候補のプロンプト」を使用する方法があります。プロンプトを使用することで、ワンクリックですぐに分析を開始できます。

手順

ArcGIS Business Analyst Web App を起動し、アプリ ヘッダーにある [Business Analyst アシスタント(プレビュー版)] ボタンをクリックし、アシスタントを起動します。

プロンプトの候補には、様々な種類のテンプレートを用意しています。用途に合わせてご利用ください。

  • マップの作成
  • レポートの作成
  • 目標物検索
  • サイトの作成
  • 位置の検索とフィルター
  • エリアの比較
  • 詳細

例として [マップの作成] の […の人口をマッピング] を選択するとプロンプトの入力欄に自動で [愛知県 の 人口 のマップを作成] と入力されます。緑色で強調表示されている「愛知県」や「人口」を変更してプロンプトを調整することもできます。

今回は入力されたプロンプトを変更せず [生成] をクリックすると、[アシスタント] ウィンドウが表示されます。提示された内容が良さそうなら「マップの作成」をクリックします。

これで、愛知県の市区町村ごとの人口を可視化したマップが作成されました。

独自のプロンプトを作成する

あらかじめ用意された候補のプロンプトを使用する他、独自のプロンプトを作成し、解析を行うことも可能です。一例として池袋駅から徒歩 10 分圏内の人口レポートを出力してみましょう。

手順

ArcGIS Business Analyst Web App を起動し、上部のリボンの [Business Analyst アシスタント(プレビュー版)] ボタンをクリックして AI アシスタントを起動します。

[関心があるトピックまたは場所を含むプロンプトを入力…] に「池袋駅から徒歩10分以内の人口レポートを作成」と入力し、[生成] をクリックします。

すると、自動的に池袋駅から徒歩 10 分の到達圏が作成されます。同時に人口に関するレポートがリストされるので、レポート テンプレートを選択の上、[実行] をクリックしてレポートを作成します。

これで、池袋駅から徒歩 10 分以内の人口や世帯数、平均世帯年収などをレポートとして出力することができました。

まとめ

Business Analyst アシスタントは、インフォグラフィックスの実行、目標物(POI)検索、カラーコード マップの作成などの機能に関連するタスクを支援しています。また、解析の実行結果について、ワークフローを簡単に説明するビデオやより詳しく分析を行うためのヒントを提供します。ArcGIS Business Analyst に慣れていない方でも、手軽に商圏分析やレポート作成を行うことができます。

Esri Japan AI Weeks では ArcGIS で利用できる AI の記事を月曜日から金曜日の 5 日間、2 週にわたって投稿いたします。
明日は ArcGIS Arcade アシスタントをご紹介いたします。

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