今回は意外と知られていない ArcGIS のツールをご紹介します。
対象バージョン:ArcGIS Desktop 9.3.1 以上、ArcGIS Explorer 1500
レイヤ ファイル(.lyr)やレイヤ パッケージ(.lpk)は、Windows エクスプローラから ArcGIS アプリケーションにドラッグ & ドロップで追加(※1)したり、[データの追加] コマンド(ArcGIS Explorer の場合は [コンテンツの追加] コマンド)で追加したりできるだけでなく、Windows エクスプローラ上のファイルや電子メールに添付されたファイルをダブルクリックしてアプリケーションに追加することもできます。
レイヤ ファイルやレイヤ パッケージをダブルクリックした場合、ArcMap、ArcGlobe、ArcGIS Explorer のいずれか 1 つのアプリケーションに渡されます。これら 3 つのアプリケーションがすべてインストールされており、いずれも起動中でないときにレイヤ ファイルやレイヤ パッケージをダブルクリックすると、デフォルトでは ArcMap が起動し、レイヤ ファイルやレイヤ パッケージがマップ内に追加されます。
このデフォルトのアプリケーションを変更することはできないでしょうか?
ArcGIS Explorer を日常的に使用するユーザであれば、ArcMap ではなく ArcGIS Explorer をデフォルトのアプリケーションにしたいと思うかもしれません。
これを行うには、ArcGIS ファイル ハンドラ ユーティリティを使用します。
※1:ArcGIS Explorer 1500 には、レイヤ ファイルをドラッグ & ドロップで追加することはできません。
■ArcGIS ファイル ハンドラの使用方法
ArcGIS ファイル ハンドラを使用すれば、レイヤ ファイルやレイヤ パッケージを Windows エクスプローラ上でダブルクリックしたときに起動するアプリケーションを変更することができます。
これは、Program FilesCommon FilesArcGISbin フォルダ内(64 ビット OS の場合は、Program Files (x86)Common FilesArcGISbin)にあります。
そのフォルダ内にある ArcGISFileHandler.exe をダブルクリックするとユーティリティが起動します。
レイヤ オプション
レイヤファイルやレイヤ パッケージを開くアプリケーションを設定するためのオプションで、デフォルトは、[アプリケーションを自動的に選択] です。
前述のように、ArcMap、ArcGlobe、ArcGIS Explorer のいずれも起動中でないときにレイヤ ファイルやレイヤ パッケージをダブルクリックすると、ArcMap が起動します。
いずれかのアプリケーションが起動中の場合、その起動中のアプリケーションに渡されます。たとえば、ArcGIS Explorer を起動しているときには、起動中の ArcGIS Explorer にデータが追加されます。
オプションとして、特定のアプリケーションのいずれかを選択する(※2)と、レイヤを開くときに起動中のアプリケーションに関係なく、選択したアプリケーションが使用されます。
※2:ArcGIS 10 SP1 からは ArcScene も選択することができるようになりましたが、現時点では動作しません。
■その他のオプション
レイヤ ファイルやレイヤ パッケージのデフォルトのアプリケーションを変更する以外に、ArcGIS ファイル ハンドラには設定可能な 2 つのオプションがあります。
マップ オプション
Windows エクスプローラから、以下に示す ArcGIS ドキュメントをダブルクリックで開く場合の振る舞いを設定します。
・ArcMap ドキュメント(拡張子:.mxd)
・マップ パッケージ(拡張子:.mpk、ArcGIS 10 から採用)
・ArcReader パブリッシュ マップ ファイル(拡張子:.pmf)
・ArcGIS Explorer マップ ファイル(拡張子:.nmf)
・ArcScene ドキュメント(拡張子:.sxd)
・ArcGlobe ドキュメント(拡張子:.3dd)
[新しいアプリケーションで開く] を選択すると、起動中のアプリケーションがあるかどうかに関わらず、新しいアプリケーションが起動し、ドキュメントが開きます。
[実行中のアプリケーションで開く] を選択すると、ダブルクリックしたドキュメントに相当するアプリケーションが起動中であれば、そのアプリケーション内でドキュメントが開きます。
パッケージの場所のオプション
ArcGIS 10 のマップ パッケージ(.mpk)や ArcGIS.com からダウンロードしたレイヤ パッケージ(.lpk)を開く際にデータが展開されるフォルダを設定します。デフォルトは、<ユーザのドキュメント フォルダ>ArcGISPackages ですが、このオプションにより任意のフォルダに変更することができます。
■参考資料
ArcGIS Desktop ヘルプ
・レイヤおよびレイヤ パッケージの保存
・マップ パッケージの作成