アファンの森訪問 – C.W.ニコル氏基調講演(GISコミュニティフォーラム)

今年のGISコミュニティフォーラムの6月2日(木)10:40からの基調講演は、あのC.W.ニコル氏です。
作家や探検家などさまざまな肩書きを持たれるニコル氏。日本の自然に魅せられ1980年から長野県黒姫に居住されています。

かつては日本の生活に溶け込んでいた豊かな里山。けれど70年代頃から、日本の森は放置され、利用されず、荒廃していました。見捨てられた森は黒くうっそうとし、そこに暮らしていた多くの種類の動植物たちが暮らすことができない病んだ森になっていたのです。
それを憂いだ氏は、1986年から、荒れた森を少しずつ買い取り、「アファンの森」と名付け、手入れを行い、多くの動植物が暮らせる森のために再生活動を行ってきたのです。
生物多様性の重要性を主張するだけでなく、25年も前から実践されていたニコル氏。
100年後の日本のために “森の再生“。
C.W. ニコル氏の基調講演、どうぞご期待ください。

さて、そんなアファンの森を4月の下旬、訪問してきました。東京は暖かな日が多くなっていましたが、黒姫はまだ雪残る「初春」。

霧雨でしっとりと濡れた森に一歩踏み込むと、植物の匂いにふわりと囲まれます。
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池のほとりをニコル氏とともに歩きます。
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これは「サウンドシェルター」。間伐材を使って作った三角屋根の建物ですが、これを背に座ると、森から聞こえる水の音や、鳥の声が増幅されて良く聞こえるのだそうです。
ニコル氏は時々寝袋を持ち込んでここに泊まるとか。
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何気ない森の風景ですが、見る人が見ると「なかなかやるな」という景色なのだそうです。それはつまり、若い木から年老いた木までさまざまなステージ、さまざまな種類の木が混ざって生えている。老いた木が無くなっても、その次となる木がちゃんと準備している森。それが健全な森の姿なのだそうです。
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地面に点々と見える黄緑のものがおわかりになるでしょうか?
これぞ春の息吹「ふきのとう」。
東京に戻った夜、そのほろ苦さをてんぷらで味わわせていただきました。
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ニコル氏の講演は2日ですが、展示会場には2、3日の両日、アファンの森特別展示ブースが設置されます。アファンの森に現れたたくさんの動物の写真や森の再生の解説など、他ブースとは一味違う展示が行われます。ぜひ展示ブースにもお立ち寄りください。

■参考リンク
C.W.二コル アファンの森財団 ホームページ

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