Web AppBuilder for ArcGIS とは ArcGIS で作成/共有した地図データを利用してコーディングなしに Web アプリケーションを作成できる製品です。ArcGIS Online や Portal for ArcGIS に組み込まれた「機能」として利用することができますが、今年の 5 月に国内サポートを開始した Web AppBuilder for ArcGIS (Developer Edition) は開発者向けに独自の Web サーバーで配信可能な形式でインストールしてご利用いただけます。
Developer Edition は独自にホストして利用できるだけでなく、作成する Web アプリケーションに組み込むことができる機能とデザインを独自に開発して Web AppBuilder 上で運用することが可能です。これにより、一度作成した機能/デザインの再利用が容易になり、開発コストを中長期的に抑えることができます。このような Developer Edition の開発者向け情報を ESRIジャパンの ArcGIS 開発者コミュニティ サイトにて「開発者向け Web AppBuilder 大解剖」というタイトルでお届けしてまいります。
本稿では、連載に先立って、開発者向けの基本情報をお伝えしていきます。
地図と機能の疎結合
Web AppBuilder はアプリケーションで表示する地図データと連携する機能を疎結合で管理します。Web AppBuilder 上では地図も機能も GUI で自由に選択することができ、地図を切り替えても同じ機能を利用することができます。
たとえば、任意地点から自動車で 5 分で到達するエリアを検索して、そのエリアに含まれる対象物を抽出するという機能を実装したとします。この機能は物件情報の検索にも使えますし、観光地の検索にも同じように使うことができます。このように、地図で表示する情報は変わっても機能は変わらずその組み合わせによって達成する目的が異なる場合に、Web AppBuilder ではそれぞれ 2 つの用途のアプリケーションのために検索機能を実装する必要がなく、1 つの検索機能で 2 つの目的を達成することができます。
Web AppBuilder ではこのような機能の単位を「ウィジェット」と呼び、標準でも 20 以上ものウィジェットが用意されています。Developer Edition ではこのウィジェットを独自に開発したり、標準ウィジェットを拡張したりして、Web AppBuilder で利用することができます。
地図と機能の疎結合を説明する資料を ArcGIS 開発者コミュニティ サイトにて公開しています(添付の PDF ファイルをダウンロードしてください)。
Web AppBuilder for ArcGIS 開発コミュニティ
ESRIジャパンでは Web AppBuilder ウィジェット共有のためのプロジェクト「Web AppBuilder for ArcGIS 開発コミュニティ」を GitHub 上で公開しています。新たに開発した Web AppBuilder のウィジェットを GitHub で全世界の ArcGIS 開発者に共有して開発コミュニティに貢献することができます。もちろん、複製(Fork)あるいはダウンロードしてご自身の Web AppBuilder に配置してご利用になれますので、まずは気になるウィジェットをサンプルとしてお試しください。
Web AppBuilder で開発を始めてみたい、Web AppBuilder の開発に興味があるという方は、ぜひ「開発者向け Web AppBuilder 大解剖」連載にご期待ください。合わせて、弊社製品ページにて開発を始めるためのドキュメントを提供していますので、そちらもご一覧ください。
■関連リンク
Esri 社(米国)Web サイト:
Web AppBuilder for ArcGIS (Developer Edition)
ArcGIS for Developers