ArcGIS API for JavaScript の最新バージョン 3.16 をリリースしました。今回のバージョンアップでは、Map クラスの basemap オプションからベクター タイルを利用可能になったほか、いくつかのウィジェットの機能が拡張されました。以下では、本バージョンにおける新機能、機能拡張の一部をご紹介します。
ベクター タイル
ベクター タイルは背景地図などに使用されるタイル レイヤーをベクター形式で提供する機能です。これまで、ベクター タイルをベースマップとしてマップに追加するにはベクター タイル レイヤー(esri/layers/VectorTileLayer)を使う必要がありましたが、本バージョンでは Esri が配信する以下のベクター タイルを Map クラス(esri/map)の basemap オプションから設定することが可能になり、より簡単にベクター タイルを使用できるようになりました。
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dark-gray-vector
最小限の色、ラベル、フィーチャを使用したスムースな地図を表現します。 |
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gray-vector
他のレイヤーを重ねたり、強調したりするためのシンプルな地図を表現します。 |
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streets-navigation-vector
ナビゲーション マップを表現します。 |
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streets-night-vector
夜間の道路地図を表現します。 |
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streets-relief-vector
起伏図との併用を想定した道路地図を表現します。 |
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streets-vector
詳細な道路地図を表現します。 |
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topo-vector
境界線や市街地、交通網、建物などを含む地形図を表現します。 |
フィーチャ テーブル
フィーチャ レイヤーのデータをテーブル形式で表示するフィーチャ テーブル(esri/dijit/FeatureTable)が大幅に見直されました。
・編集機能の追加:editable プロパティが追加され、既存フィーチャの属性を更新できるようになりました。
・UI のカスタマイズ:UI のカスタマイズを可能にするいくつかのプロパティが追加されました。
・カラムの制御:テーブルに表示するカラムの順序を制御できる outFields プロパティが追加されました。
・イベントの追加:機能の追加にともない、いくつかのイベントが追加されました。
ルート案内ウィジェット
ルート案内ウィジェット(esri/dijit/Directions)は指定した地点へ到達するルートを検索し、マップ上に表示する機能です。本バージョンでは、以下の機能が追加されました。
・通過地点の追加:マップに表示されているルートをドラッグして、通過地点を追加できるようになりました。
・UI の向上:ルートを示す UI が向上し、ルートの視認性が高まりました。また、通過地点を追加時にマウスの動きに合わせて、距離と移動時間をツールチップで表示することができます。
その他の機能拡張/仕様変更
・計測ウィジェットの機能向上:マップ上の距離や面積、緯度経度を計測する計測ウィジェットの機能向上が行われ、より高度な計測が可能になったほか、いくつかのイベントが追加されました。
・Calcite(ベータ版)の追加:新しい CSS のテーマ、Calcite が追加されました。
※ベータ版は試用を目的とした公開であり、正式なリリースではありませんので、機能あるいはパフォーマンスについての保証はされておりません。
その他の更新情報や新機能については、ArcGIS for Developers の ArcGIS API for JavaScript 新機能(英語ページ)をご参照ください。
■関連リンク
・ESRIジャパン Web サイト:ArcGIS API for JavaScript
・Esri 社(米国)Web サイト:ArcGIS API for JavaScript