Internet Explorer 11 は、Internet Explorer ラインの最終バージョンとして 2013 年にリリースされましたが、2014 年以降、機能アップデートが行われず、Windows 10 でリリースされたMicrosoft Edge が現在では主流となっています。
ここ数年の間に Internet Explorer 11 のサポート終了を表明している多くの Web サイトやアプリケーションを目にしたことがあると思いますが、Esri 社でも、ArcGIS Online、ArcGIS Enterprise、および ArcGIS API での Internet Explorer 11 のサポートを段階的に終了することになりました。これは当初、ArcGIS 製品サポート終了情報 (2020 年 3 月更新) で ArcGIS Online と ArcGIS Enterprise に対して発表されていたものです。(Microsoft が 1 月にリリースした Chromium ベースの新しい Microsoft Edge に置き換えられる Microsoft Edge レガシのサポートも終了します。)
Esri は、何年にもわたって何十億ものリクエストを Internet Explorer 11 に提供してきましたが、他のブラウザーがほぼ毎月のようにアップデートしながら革新を続けているような、常に進化し続ける環境の中で、アップデートが行われないブラウザーをサポートし続けることはますます難しくなってきています。
本ブログ記事では、Esri に寄せられた一般的な質問のいくつかに答え、これがお客様の組織に影響を与える場合に次に何をすべきかについてのガイダンスを提供したいと考えています。
なぜ Esri は Internet Explorer 11 のサポートを終了するのですか?
ArcGIS Online、ArcGIS Enterprise、および ArcGIS API for JavaScript の新しいリリースと機能は、最新の Web 標準の技術を取り入れたモダン ブラウザー上で動作するよう開発されています。Microsoft は、今後 Internet Explorer 11 に新しい Web 標準の技術が実装されることはないと発表しており、ArcGIS においても、今後実装される新機能の期待される動作やパフォーマンスが保証されなくなります。
Internet Explorer 11 でのアプリケーションのレンダリングやパフォーマンスには大きな制限があります。最近の GIS ワークフローには、Web アプリケーションでこれまで以上に大きなデータセットを扱うこと、WebGL を使用して複雑な 3D シーンをレンダリングすること、Arcade を使用してブラウザー内で計算を実行することなどが含まれます。Esri は、この分野の機能を引き続き強化していきたいと考えており、Internet Explorer 11 のような古いブラウザーではそれができなくなります。
実際、Esri の多くの Web アプリケーションは、このような理由から、すでに Internet Explorer 11 をサポートしていません。ArcGIS Insights や ArcGIS StoryMaps などの新しいアプリケーションは、これまで Internet Explorer 11 をサポートしていませんでした。また、新しい Map Viewer も Internet Explorer 11 をサポートしていません。今回の発表は、現在 Internet Explorer 11 をサポートしている ArcGIS Online および ArcGIS Enterprise の他の部分においても、今後サポートされなくなるというものです。
同様に、ArcGIS API for JavaScript の一部は Internet Explorer 11 で動作しますが、古いブラウザーには基礎となる機能がないため、常に多くの制限 (クライアント側の投影の欠如など) が存在していました。Internet Explorer 11 のサポートを終了することで、Esri はより無駄のない API を使用した新しいイノベーションに開発努力を集中させることができるようになります。
Internet Explorer 11 は技術的にはまだ Microsoft によってサポートされていますが、そのサポートはセキュリティ アップデートに限定されています。Microsoft は数年前から、新機能を追加してパフォーマンスを向上させるための新しい開発努力はすべて新しい Microsoft Edge ブラウザーに移行することを明らかにしています。
ArcGIS Online および ArcGIS Enterprise のユーザーは、この変更の影響をどのように受けますか?
ArcGIS Online および ArcGIS Enterprise のユーザーがこの変更の影響を受けるのは、Internet Explorer 11 を使用している場合のみです。既に新しい Microsoft Edge、Google Chrome、Mozilla Firefox、Apple の Safari を使用している場合は、問題なく使用できます。
ArcGIS API for JavaScript を使用してアプリを構築する開発者 (およびそのエンド ユーザー) は、この変更の影響をどのように受けますか?
ArcGIS API for JavaScript を使用してアプリを構築する開発者は、エンド ユーザーが Internet Explorer 11 を使用している場合にのみ、この変更の影響を受けることになります。既に新しい Microsoft Edge、Google Chrome、Mozilla Firefox、Apple の Safari を使用している場合は、問題なく使用できます。
ArcGIS Online を利用しています。どのような影響がありますか?
2020 年 12 月の ArcGIS Online のアップデート以降、Internet Explorer 11 または Microsoft Edge レガシに関連する問題のサポートを受けることができなくなります。2020 年 12 月以降は、Internet Explorer 11 または Microsoft Edge レガシ固有の問題に関するサポートを受けることができなくなり、これらのブラウザーを使用した新しいリリースのテストも行われません。
ArcGIS Online の多くの機能は 2020 年 12 月以降も Internet Explorer で引き続き動作しますが、新機能の導入やその他の更新が行われると、その後の ArcGIS Online のアップデートで一部またはすべての機能が動作しなくなる可能性があります。
ArcGIS Enterprise を利用しています。どのような影響がありますか?
ArcGIS Enterprise 10.9 以降で、Internet Explorer 11 または Edge レガシに関連する問題のサポートを受けることができなくなります。
ArcGIS Enterprise 10.8.1 またはそれ以前のサポート バージョンをご利用のお客様は、通常の ArcGIS Enterprise 製品ライフサイクルに従って、引き続き Internet Explorer 11 および Microsoft Edge レガシのサポートを受けることができます。
つまり、ArcGIS Enterprise を使用しているお客様には、当面の影響はありません。Internet Explorer 11 および Microsoft Edge レガシのサポートが停止されるのは、組織が ArcGIS Enterprise 10.9 (2021 年リリース予定) またはそれ以降にアップグレードした場合です。
ArcGIS API for JavaScript を利用しています。どのような影響がありますか?
ArcGIS API for JavaScript のバージョン 4.18 および 3.35 以降 (2020 年 12 月) から、Internet Explorer 11 または Microsoft Edge レガシに関連する問題のサポートを受けることができなくなります。バージョン 4.18/3.35 以降については、Internet Explorer 11 または Microsoft Edge レガシ固有の問題に対するサポートを受けることができなくなり、これらのブラウザーを使用した新しいリリースのテストも行われません。
ArcGIS API for JavaScript の多くの機能は、バージョン 4.18/3.35 以降も Internet Explorer で引き続き動作しますが、新機能の追加やアップデートに伴い、一部またはすべての機能が動作しなくなる可能性があります。
バージョン 4.17/3.34 またはそれ以前のサポート バージョンをご利用のお客様は、通常の ArcGIS API for JavaScript 製品ライフサイクルに従って、引き続き Internet Explorer 11 および Microsoft Edge レガシのサポートを受けることができます。
つまり、ArcGIS API for JavaScript を使用しているお客様には、当面の影響はありません。Internet Explorer 11 および Microsoft Edge レガシのサポートが停止されるのは、アプリをバージョン 4.18/3.35 以降にアップグレードした場合です。
今後、どのようにすればいいでしょうか?
すべての Web ブラウジングで、Microsoft Edge、Mozilla Firefox、Google Chrome などの最新のブラウザーに移行することを強くお勧めします。ArcGIS Online を使用している場合は、2020 年 12 月までに最新のブラウザーに移行する必要があります。ArcGIS Enterprise を使用している場合は、2021 年以降のリリースに ArcGIS Enterprise をアップグレードする前に、この移行を行う必要があります。ArcGIS API for JavaScript を使用している場合は、アプリをバージョン 4.18 または 3.35 にアップグレードする前、またはこれらのバージョンのいずれかを使用して新しいアプリを構築する前に、この移行を行う必要があります。しかし、遅かれ早かれ最新のブラウザーに移行することを強くお勧めします。現在でも、最新のブラウザーを使用することには多くの利点があります。
Esri は、この移行をできるだけスムーズに行うために、世界最高の Web ベースのマッピングと GIS 機能を提供し続けていきたいと考えています。
※本ブログは米国 Esri のブログ「So Long Internet Explorer 11, and Thanks for All the Views」を元に一部抜粋・翻訳したものです。
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