ArcGIS Online の Map Viewer に新しい「フロー」スタイルが登場しました!

2022 年 3 月 22 日 (日本時間 2022 年 3 月 23 日) の ArcGIS Online のアップデートにて、Map Viewer に新しい「フロー」スタイルが登場しました。本記事ではフロー スタイルの詳細についてご紹介します。

フロー スタイルとは

主に気象データや海洋データに含まれる、強度および方向成分、UV 成分を持ったイメージ レイヤー内のベクトル フィールドのデータを、方向と大きさを表す流線と波面のアニメーションで表現するシンボルです。

これまで Map Viewer ではベクトル場シンボルでこれらのデータを表現することができましたが、フロー スタイルを利用することにより、例えば海流や風流を波や破線として表示し、線の方向で流れの方向を、流線や波面の長さ、色や速度で流れの大きさ (強さ) をアニメーションで表現できます。

フロー スタイルで使用できるイメージ レイヤーは、ArcGIS Image for ArcGIS Online で ArcGIS Online に公開できます。
また、ArcGIS Living Atlas of the World では、フロー スタイルで使用できる海流のデータセット「HYCOM – Ocean Current Vectors」が公開されています。

フロー スタイルを使用する

気象データや海洋データなどの強度および方向成分、UV 成分を含むタイル イメージ レイヤー、ダイナミック イメージ レイヤーを用意し、Map Viewer に追加します。具体的にはアイテム詳細ページで [イメージ プロパティ] の [ソース タイプ] が「ベクトル-UV」または「ベクトル-MagDir」となっているイメージ レイヤーです。

Map Viewer の [シンボル] をクリックし、[スタイル] から [フロー] を選択します。[スタイル オプション] をクリックして、以下の 2 つのスタイルを選択できます。

フローライン

アニメーション表示された流線の方向は流れの方向、流線の速度と長さは流れの大きさ (強度) を表しています。下記のマップでは、2011 年 5 月下旬に沖縄県に接近し、時期外れの台風接近により農林水産業関連に 70 億円を超える被害をもたらした「平成23年台風第2号」接近時の気象データを用いて、当時の風の流れと強さを示したものです。

使用したデータには時系列でデータが格納されているため、Map Viewer のタイム スライダーで時間を変更すると、風の向きや強さが刻々と変化していることがわかります。

波面

アニメーション表示されたラインの方向は流れの方向、ラインの太さや色は流れの大きさ (強度) を表しています。下記のマップでは、南極付近の海氷の動きを示しており、非常に複雑な動きをしていることが読み取れます。

また、同様にタイム スライダーで時期を変更すると、海氷の流れが大きく変わっていることがわかります。

さらに、昨年の ArcGIS Online のアップデートで追加されたブレンド モードレイヤー効果を使用すると、より強力なビジュアライゼーションを行うことができます。

気象データや海洋データなどの新たな表現方法として Map Viewer の「フロー」スタイルを是非ご活用ください!
お手元にデータがない方は、ArcGIS Living Atlas of the World の海流データでフロー スタイルを使用することができますので、お試しください。

関連リンク