ArcGIS API for JavaScript の最新バージョン 2.6 をリリースしました。バージョン 2.6 では ArcGIS API for JavaScript 2.5 からの機能の改善や変更と ArcGIS の次期バージョンである ArcGIS Server 10.1 の新機能への対応などが含まれています。
■バージョン 2.6 での機能改善
地図表現の向上
ブラウザがサポートしている場合に、地図の移動、ズームの操作に CSS3 の transform を使用することにより、なめらかな地図表現を提供します。
■バージョン 2.6 での変更点
ネットワーク解析タスク
ネットワーク解析を行うタスクの結果(ClosestFacilitySolveResult, ServiceAreaSolveResult)として geometry の配列から graphics が返されるように変更されました。
※バージョン 2.5 以前に作成したアプリケーションをバージョン 2.6 へアップグレードする場合は、アプリケーションのコードを修正する必要がありますのでご注意ください。
以下は、ServiceAreaTask を実行した場合の例です。ServiceAreaTask はタスクの実行結果にserviceAreaSolveResult を返します。serviceAreaSolveResult の serviceAreaPolygons プロパティに解析結果のポリゴン群が含まれています。詳細はサンプル「Basic service area」をご参照ください。
・バージョン 2.5 の場合
//ServiceAreaTask の結果として serviceAreaSolveResult が返される
dojo.forEach(serviceAreaSolveResult.serviceAreaPolygons, function(serviceArea) {
//ジオメトリ(serviceArea)が返されるのでジオメトリから新たにグラフィックを作成する
var polygonGraphic = new esri.Graphic(serviceArea, serviceAreaSymbol);
//グラフィックをマップに追加する
map.graphics.add(polygonGraphic);
});
・バージョン 2.6 の場合
//ServiceAreaTask の結果としてserviceAreaSolveResultが返される
dojo.forEach(serviceAreaSolveResult.serviceAreaPolygons, function(serviceArea) {
//グラフィック(serviceArea)が返されるのでグラフィックにシンボルを設定する
serviceArea.setSymbol(serviceAreaSymbol);
//グラフィックをマップに追加する
map.graphics.add(serviceArea);
});
■ArcGIS 10.1 対応
バージョン 2.6 では、ArcGIS Server 10.1 の新機能を利用するためのクラスがいくつか追加されています。詳細は ArcGIS API for JavaScript リファレンスページをご参照ください。
※これらのクラスは ArcGIS Server 10 には対応していないため、現時点では国内サポートの対象外です。
■参考資料
ESRIジャパン Web サイト:
・ArcGIS API for JavaScript
Esri 社(米国)Web サイト:
・ArcGIS API for JavaScript