ArcGIS Desktop のエクステンション製品である ArcGIS Spatial Analyst はラスタ データに対して様々な処理を行うことができますが、今回は、条件に合ったデータを抽出する方法をご紹介します。例として、標高を表す DEM (数値標高モデル、Digital Elevation Model)から標高 10m 以下の場所だけを抽出する方法の 1 つをご紹介します。
使用するツール:Con ツール
使用するデータ:50m メッシュ DEM (ArcGIS データコレクション スタンダードパック 広域地図)
条件:標高 10m 以下
【手順】
1. ArcMap に DEM データを追加します(今回はデータコレクションを使用したが、基盤地図情報などを使用することも可能)。
2. [Con] ツールを起動し、以下の設定を行います(要 ArcGIS Spatial Analyst ライセンス)。
■ラスタのセル値が「10」以下となる条件式を設定します(条件に応じて変更)。
■条件を満たす場合(この場合、セル値が 10 以下の場合)は、入力条件ラスタと同じセル値を設定し、条件式を満たさない場合(この場合、セル値が 10 より大きい場合)は、「NoData」という値を与えます。そのため、空白に設定します。
3. 実行後、出力ラスタがマップに自動的に追加されます。レイヤ プロパティからシンボルの設定を変更します。
4. [OK] をクリックすると、以下のような表示になり、標高が低い場所が分かりやすくなります。
5. 出力ラスタを透過表示させ、背景データと重ね合わせて表示するともっと分かりやすくなります。
以上、1 つのツールで欲しいデータに簡単に加工することができる方法をご紹介しました。
このツールを使えば、浸水域が 10 m の津波・河川氾濫被害地域を割り出すこともできます。
是非ご活用ください!