ArcGIS for Desktop、ArcGIS Engine、ArcGIS for Server、あるいは ArcGIS Runtime のエクステンションの 1 つである ArcGIS Spatial Analyst の機能紹介第 8 回です。今回は、ラスタ演算についてご紹介します。
ラスタ演算とは、画像またはラスタを使って様々な演算を行うことをいいます。
重ね合わせた画像同士の同じ位置のピクセル値を足し合わせたり、ツールを組み合わせてさらに高度な演算を行ったり、様々なバリエーションがあります。
Spatial Analyst エクステンションでは、[ラスタ演算] ツールを利用することで、計算機に似たインターフェースで演算式を構築し、処理を実行することができます。
例えば、DEM(標高)データに対して、Null 値の場所は定数 0 とし、それ以外の場所は元の DEM の値を返したいという場合、[Con] ツールと [IsNull] ツールを組み合わせて式を構成します。
Con(IsNull(“DEM”),0, “DEM”)
この演算式を、以下のような海の部分が Null 値として定義されている島地域の DEM データに対して実行した場合、島の周りの Null 値だった海の部分に 0 が代入されます。
この例は無数に存在する、ラスタ演算の利用法のほんの一例です。ラスタ演算では、演算子やツールを組み合わせて、様々な演算を行うことができます。ラスタ演算の詳細については、ヘルプをご参照ください。
今回で「何ができるの?ArcGIS Spatial Analyst」シリーズは最後です。シリーズ内でご紹介した内容は、Spatial Analyst エクステンションで実現できる解析のほんの一部に過ぎません。Spatial Analyst のツールを組み合わせたり、Spatial Analyst と標準機能のツールを組み合わせたりすることで解析の幅は無限に広がります。
是非、Spatial Analyst をお使いいただき、『ラスタ データの高度で多彩な空間解析』を行っていただければと思います!
■関連リンク
ArcGIS ブログ
・ArcPy で画像処理をしてみよう ~その3:ラスタ演算(Spatial Analyst)
ArcGIS ヘルプ
・ラスタ演算の詳細
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・Spatial Analyst 解析 トレーニング