ArcGIS API for JavaScript の最新バージョン 4.5 およびバージョン 3.22 をリリースしました。以下では、本バージョンにおける新機能、機能拡張の一部をご紹介します。
バージョン 4.5
2D WebGL レンダリング(ベータ版)のサポート
2D マップで WebGL を使用したレイヤーの描画がサポートされました。上の 2 つの動画は WebGL を使用してレイヤーを描画したものです。
WebGL は Web ブラウザーを通して GPU へアクセスし、3D 描画などの高度なグラフィックス処理を実現する API です。WebGL を使用することで、より多くのデータを素早くマップに表示できるようになるほか、可視化したデータの更新もスムーズに行えます。
WebGL レンダリングを有効にするには、dojoConfig を以下のように設定します。
<script> var dojoConfig = { has: { "esri-featurelayer-webgl": 1 } }; </script>
描画ツールの追加
2D のマップにグラフィック(ポイント、ポリゴン、ライン)を描画する描画ツールが追加されました。マップにジオメトリを描画して範囲を示すほか、目印として使用するなどの使い方があります。
・SketchViewModel
グラフィックをマップに追加するプロセスを簡素化し、シンプルなコーディングで基本的なジオメトリ描画に対応します。
・Draw
グラフィックを作成するための高度な機能を提供します。たとえば、下の画像のように作成したジオメトリの自己交差を検知し、防止する機能を実装することもできます。
スマート マッピングの機能拡張
レーザー測量で取得した LIDAR データを処理した点の集合体で構成される点群レイヤーにスマート マッピングがサポートされました。
スマート マッピングは、レイヤーと、レイヤーに含まれる表現したいフィールドを指定するだけで、フィールドの持つ値をもとに最適なレンダラーを作成する機能です。スマート マッピングを活用することで、点群レイヤーのシンボルの大きさや分類の閾値などを独自に設定することなく、最適なレンダラーを簡単に作成できるようになりました。
スマート マッピング機能を用いて点群レイヤーのレンダラーを作成するメソッドは以下の 3 つです。それぞれのメソッドはレイヤー インスタンスやフィールド名を指定するだけで自動的にレンダラーを作成します。
・colorRendererCreator.createPCContinuousRenderer()
点群レイヤーの標高または反射強度などの属性値をもとに、連続的なカラーランプを用いて可視化する PointCloudStretchRenderer を作成します。
・colorRendererCreator.createPCTrueColorRenderer()
点群レイヤーの RGB 値をもとに、トゥルー カラーを使用して実物に近い見え方で可視化する PointCloudRGBRenderer を作成します。
・typeRendererCreator.createPCClassRenderer()
点群レイヤーのクラス コードまたは低植生、高植生、地面など点群データを分類する属性値を使用し、個別値を可視化する PointCloudUniqueValueRenderer を作成します。
バージョン 3.22
クラスタリング機能の追加
フィーチャ レイヤーと CSV レイヤーがポイント データのクラスタリングをサポートしました。
クラスタリングを有効化すると、多数のポイント データを集約しマップに表示します。これにより、データの分布パターンを把握しやすくなります。
クラスタリングされたフィーチャをクリックすると、ポップアップが表示されます。ポップアップにはクラスタに含まれるフィーチャ数が表示されるほか、各フィーチャの属性情報についても参照することが可能です。
その他の更新情報や新機能については、ArcGIS for Developers の ArcGIS API for JavaScript 新機能(英語ページ)(バージョン 4.5 / バージョン 3.22)をご参照ください。
※ベータ版は試用を目的とした公開であり、正式なリリースではありませんので、機能あるいはパフォーマンスについての保証はされておりません。
■関連リンク
ESRIジャパン Web サイト:
・ArcGIS API for JavaScript
Esri 社(米国)Web サイト:
・ArcGIS API for JavaScript(バージョン 4.5)
・ArcGIS API for JavaScript(バージョン 3.22)
Esri Japan GitHub:
・ArcGIS for Developers 開発リソース集