弊社で販売している画像処理ソフトに ENVI 製品がありますが、先月 3 月 23 日に ENVI5.5 を国内リリースしました。ENVI5.5 の新機能には、新規データタイプのサポートや ENVI Modeler、ENVI Py といった機能が追加されました。本ブログでは、ENVI Py についてご紹介します。
ENVI Py とは?
ENVI Py とは、Harris が提供する ENVI Task を利用できるようにするためのスタンドアロンの Python API です。ENVI デスクトップ上で ENVI および IDL Task を実行することができます。ArcMap と ArcGIS Pro をサポートし、ArcGIS から ENVI の機能を利用することができます。
前バージョンまでは、ArcMap がインストールされているマシンに ENVI をインストールすると、ENVI Tool for ArcGIS として ArcToolbox に ENVI Tools が追加され、ENVI の機能を ArcMap で利用することができました。ENVI5.5 では、ENVI Tool for ArcGIS はなくなり、ENVI Py として ArcMap だけでなく ArcGIS Pro でも ENVI の機能を利用できるようになりました。
ENVI Py の利用方法は、ENVI をインストールした後、ArcMap または ArcGIS Pro の専用インストーラーをインストールするだけです。ArcMap では ArcToolbox に、ArcGIS Pro ではジオプロセシングに上図のような [ENVI Analytics] と [ENVI Management Tools] ツールボックスが追加されます。
[ENVI Analytics] ツールボックス内にはすぐに使える ENVI の分類ツールが格納されており、[ENVI Management Tools] ツールボックスでは、ENVI Task を呼び出して ArcGIS で利用できるツールを作成することができます。
◎実際に ENVI の大気補正ツールを作成してみましょう。
[ENVI Management Tools] の [Create ENVI Toolbox] を開き、[ENVI Task Name] に追加したい ENVI Task の名前を入力します。(下図の例では、3 つの Task を追加しています)
ENVI Task の名前は以下のヘルプから確認することができます。
[Output Toolbox] に ENVI Task を格納するためのツールボックスを保存する場所で任意の名前を入力します。
実行すると、以下のように指定した ENVI Task を含んだツールボックスを作ることができました。[QUAC] ツールを開くと、ENVI と同じパラメーターが確認でき、利用することができます。
※QUAC は Atmospheric Correction モジュールが必要です。
ENVI5.4 と ENVI 5.5 は別の場所にインストールされ独立して動作するため ArcMap では ENVI Tool for ArcGIS と ENVI Py を併用することも可能です。ArcGIS に ENVI 機能を追加して解析手法を広げましょう。
まだ ENVI をお持ちでない方は、ENVI トライアルからお試しください。