2018 年 6 月 6 日にリリースした、ArcGIS Desktop の最新アプリケーション「ArcGIS Pro」のバージョン 2.1 の新機能を複数回に分けてご紹介しています。今回は、ArcGIS Spatial Analyst エクステンションのジオプロセシング ツールとラスター関数の主な新機能をご紹介します!
ジオプロセシング ツール
Spatial Analyst には、約 190 個のジオプロセシング ツールがあります。本バージョンでも、新しいジオプロセシング ツールがいくつか追加されました。
■距離ツールセット
コストパス (ポリライン) ツール
新しくコストパスを出力するときに、ポリラインをエクスポートするツールが登場しました。このツールとは別に [コストパス] ツールというのもありますが、それはラスターを出力するツールです。本ツールはコスト パスをベクターで利用したいというときに便利です。
■水文解析ツールセット
流動距離ラスターの作成ツール
河川からの垂直方向/水平方向の距離を計算するツールです。この結果から 10m 浸水したときの範囲などを抽出したり、小川などの水源から一定距離にしか生息しない植物の生息範囲を抽出したりする解析に利用できます。
■セグメンテーションと分類ツールセット
Google TensorFlow や Microsoft CNTK といった機械学習アプリケーションと連携するツールが登場しました。これらサード パーティ製品との連携で、機械学習を使って画像分類が可能になります。
ディープ ラーニング用のトレーニング データをエクスポートツール
ArcGIS で作成したトレーニング データを機械学習ソフトで利用できるファイルに出力するツールです。
機械学習ソフトのモデルを Esri の分類定義ファイルである *.ecd ファイルに組み込むツールです。
ラスター関数
メモリ上で処理を行うオンザフライ処理が可能なラスター関数に、6 つの水文解析関数が追加されました。水文解析は通常これらのツールを組み合わせて使用しますが、関数エディターを使用すれば、ラスター関数を組み合わせたオリジナルの関数を作成することもできるので便利です。
■水文解析
サーフェスの平滑化
河川リンク ラスターの作成
集水域ラスターの作成
流向ラスターの作成
流動距離ラスターの作成
累積流量ラスターの作成
ArcGIS Pro 2.1 の Spatial Analyst にはこの他にも新機能や機能改善などがあります。その他の新機能については Web ヘルプをご参照ください。
ArcGIS Pro は従来のアプリケーション「ArcMap」と並行して利用することができます。使いはじめたい場合は「はじめての ArcGIS Pro」(サポート サイトへのログインが必要です) をご参照ください。ArcGIS Desktop 製品をお持ちでない場合は、トライアル版でお試しいただけます。
■関連リンク
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