ジョンズ・ホプキンス大学の新型コロナウイルス感染状況ダッシュボード作成の裏側

日々増加する新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の感染者数。その数を確認するのが日課となっている方々も多いかと思います。国内外のさまざまな機関や組織が新型コロナウイルスの感染者情報を Web サイトで公開していますが、その中でも特に注目を集めているのは、2020 年 1 月にいち早く全世界の感染者情報を公開した米国ジョンズ・ホプキンス大学の「COVID-19 Dashboard」です。

ジョンズ・ホプキンス大学ダッシュボード

このダッシュボードには 1 日 10 億以上のアクセスがあります。ここに掲載されている情報やマップは数多くの報道機関で引用されており、日本で流れるニュースにおいても世界の新型コロナウイルス感染者数の出典元として「ジョンズ・ホプキンス大学」の名前をよく目にします。

今回は、ジョンズ・ホプキンス大学の COVID-19 Dashboard を作成・運用しているチームの活動についてご紹介します。

ダッシュボード公開の経緯

COVID-19 Dashboard を作成・運用しているのは、ジョンズ・ホプキンス大学 システム科学工学センター (CSSE) の共同ディレクターである Lauren Gardner が率いるチーム (COVID-19 ダッシュボード チーム) です。元々は、麻疹やジカウイルスの流行に関する空間モデリングを米国 Esri 社の ArcGIS を用いて行っていました。2020 年 1 月に中国で新型コロナウイルスの感染が拡大し始めたのを見て、中国人大学院生の Ensheng Dong が ArcGIS Dashboards アプリを用いて数時間でダッシュボードを作成し、1 月 22 日に公開しました。それを Twitter でシェアしたところ、瞬く間に全世界から注目を集めることになりました。

ダッシュボードの運用体制

ダッシュボードの運用は COVID-19 ダッシュボード チーム (5 名の主要メンバー) が中心になって行い、ジョンズ・ホプキンス大学の学生、広報部門、応用物理研究所が協力しています。さらに、米国 Esri 社がプラットフォームの管理を支援しています。チームおよび協力者がローテーションで 24 時間対応できるような体制を組んでおり、たとえば、米国における早朝の時間帯ではイギリス在住の大学生がシフトを担当しています。

ジョンズ・ホプキンス大学 COVID-19 ダッシュボード チームのメンバー

ジョンズ・ホプキンス大学 COVID-19 ダッシュボード チームのメンバー ((c) Will Kirk/Johns Hopkins University)

感染者数データの収集方法

感染者数のデータは、WHO (世界保健機関)、米国疾病予防管理センター、欧州疾病予防管理センター、中華人民共和国国民健康委員会、各国の保健機関やメディアなどさまざまな機関から取得した情報を集計したものです。当初は学生が手動で情報を収集していましたが、現在は Web スクレイピングの技術を用いて自動的に収集が行われ、1 時間ごとにダッシュボードに表示される数値やマップが自動更新されています。

このように COVID-19 ダッシュボード チームおよび協力者の尽力によって、全世界の新型コロナウイルスの感染状況を迅速に把握することができています。また、集計されたデータは、GitHub でも公開されているので、ダッシュボード以外でも活用することができます。

COVID-19 ダッシュボード チームは現在、ダッシュボードの運用に加えて、米国全体の疾病リスク評価のモデリングに取り組んでいます。

本記事は、以下のページに掲載されている記事を参考にして構成しました。

ESRIジャパンでは、4 月 14 日に「新型コロナウイルス対応支援サイト」を公開しました。このサイトでは、新型コロナウイルスへの対応を支援するための国内・世界の感染状況に関する情報、データ、対応支援パッケージを提供しています。新型コロナウイルス感染による課題の解決にお役立てください。

■関連リンク
新型コロナウイルスの感染状況に関するマップ