ArcGIS Runtime SDK (Android/iOS/.NET) の最新バージョン 100.3.0 を 8 月 23 日に国内リリースしました。バージョン 100.3.0 では、3D 機能を中心にアップデートが行われています。
各 SDK (Android/iOS/.NET) 共通のアップデート内容
Web シーンのサポート
ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise で共有される Web シーンを表示できるようになりました。Web シーンは、ArcGIS Pro や ArcGIS Online Scene Viewer などを使用して作成できます。コンテンツの追加やシンボル、ポップアップなどを設定して作成した Web シーンは、URL やアイテム ID を指定するだけで簡単にアプリケーションで表示できます。
シーン レイヤーのフィーチャの選択
シーン レイヤー上にある 3D フィーチャをクリックして、フィーチャの選択やハイライト表示、個別属性の表示ができるようになりました。
3D 解析の機能強化
対話的に 3D での距離測定を実行できるようになりました。2 点間の水平、垂直、直線距離を測定できます。
また、バージョン 100.2.0 で追加された可視領域解析機能の水平視野が最大 360 度まで対応するようになりました(バージョン 100.2.0 では最大 120 度までサポートされていました)。
マップ イメージ レイヤーのクエリのサポート
ArcGIS Enterprise で配信されるダイナミック マップ サービスを表示する際に使用するマップ イメージ レイヤーがクエリに対応しました。以前のバージョンまでは、個別属性表示(選択した地点上にあるフィーチャの検索)のみに対応していましたが、バージョン 100.3.0 から、属性/空間関係に基づくクエリや、属性情報の統計値の取得、関連テーブルのクエリなどにも対応しました。
WMS レイヤーの機能強化
OGC WMS に対応したデータを表示するための WMS レイヤーが、時間に基づいたフィーチャのフィルタリングや、スタイル設定、カスタム パラメーターを指定したリクエスト等に対応しました。
ArcGIS Runtime SDK for Android 固有の項目
時間対応のサポート※
時間の属性情報に対する操作をサポートしました。時間対応を有効にしたレイヤーを使用し、時間範囲を指定したデータの表示や検索が行えるようになりました。マップ ビューまたはシーン ビューに時間範囲を適用してビュー上に追加したデータをフィルタリングしたり、時間範囲を使用してデータを検索したりすることができます。
※ ArcGIS Runtime SDK for iOS、ArcGIS Runtime SDK for .NET ではバージョン 100.2.0 からサポートされています
ArcGIS Runtime SDK for .NET 固有の項目
仮想化環境のサポート※
バージョン 100.3.0 から VDI のサポート環境として Citrix XenDesktop 7.17 が追加されました。Citrix XenDesktop で利用するハイパーバイザーについては、VMware vSphere ESXi 6.5 のみがサポート対象となります。
※ ArcGIS Runtime SDK for .NET の WPF API を使用して開発したアプリのみがサポート対象です
注意事項
ArcGIS Runtime Local Server SDK※ バージョン 100.3 は米国Esri社から既にリリースされていますが、現在、日本国内で検証中のため国内サポートは開始しておりません。
国内サポート開始の目途がつき次第、別途本ブログにてご案内いたします。Local Server SDK をご利用になる場合は、Local Server SDK に併せたバージョンの ArcGIS Runtime SDK for .NET をご利用ください。
※ ArcGIS Runtime SDK for .NET で利用可能なオプション コンポーネントです。オフライン環境でジオプロセシング タスクを実行できる機能等を提供します。
本記事では主要な項目についてご紹介しましたが、各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート(英語)をご覧ください。
また、バージョン 100.2 のリリース以降、米国Esri社の GitHub のリポジトリ(Android / iOS / .NET)に数多くの新しいサンプルが追加されています。各機能を実際に操作しながら API の実装方法を確認できますので、是非、開発にお役立てください。
■関連リンク