ArcGIS Runtime SDK (Android/iOS/.NET) の最新バージョン 100.5.0 を 7 月 3 日に国内リリースしました。
今回のアップデートでは、すべての製品で 3D の表示に使用するメモリの最適化が行われています。全体的に 40~50% 削減され、3D 表示のパフォーマンスが改善されています。ぜひ最新版にアップデートしてご利用ください。
各 SDK (Android/iOS/.NET) 共通のアップデート内容
モバイル シーン パッケージをサポート
モバイル シーン パッケージとは、ArcGIS Pro 2.3 以降で作成できるファイルのひとつで、端末がオフライン状態でも ArcGIS Pro で作成したグローバル シーンを利用することができます。モバイル シーン パッケージは、複数のシーンを 1 つの *.mspk ファイルに統合して利用します。
マルチ レイヤー シンボルをサポート
シンボルの構成方法と表現方法がより多彩に、柔軟に表現できるようになりました。
シンボル同士を組み合わせ、新しいシンボルを表現することや、ポリゴン・ポリラインの表面の色や表現方法を多彩に指定して表現することができます。 ArcGIS Pro のシンボルも表現できるようになりました。ArcGIS Pro バージョン 2.3 以降で、モバイル スタイルとして作成して利用します。
点群データの表示をサポート
センサーからのデータとして利用されることが多い点群データの表示をサポートしました。 3D シーンを対象に次の 3 つのデータソースから表示することができます。
- シーン サービス (ArcGIS Enterprise/ArcGIS Online による 3D データのサービス)
- モバイル シーン パッケージ (*.mspk ファイル)
- シーン レイヤー パッケージ (*.slpk ファイル)
静岡県旧水窪町の地形を点群データで表現
(点群データは Shizuoka Point Cloud DB より参照)
KML ツアーの表示をサポート
KML ツアーでは、アニメーションを用いて 3D シーン上の任意のポイント間を移動し地球上の移動を体験できます。音声によるナレーションも併用することができます。作成方法や詳しい概要は、Googleドキュメントをご覧ください。
各 SDK (Android/iOS/.NET) のアップデート内容
実行環境など、各製品固有のアップデート内容をご案内します。
ArcGIS Runtime SDK for Android
・2019 年 8 月から Google Play ストアの要件である「64 ビットネイティブライブラリを使用して新しいアプリをデプロイする」という要件に対応しました。
64 ビット ARM V8 アーキテクチャ用のネイティブバイナリが含まれています。この要件について、詳しくは Google の Android 開発ブログ (英語) をご覧ください。
・Java 8 言語機能のサブセットのサポートが導入されました。
ArcGIS Runtime SDK for iOS
・iOS 11 以上がサポート対象の実行環境となります。
・静的フレームワークはバージョン 100.5.0 までのサポートとなります。今後のバージョンで削除される予定です。代わりに動的フレームワークを使用してください (使用方法はインストール ガイドをご覧ください)。
ArcGIS Runtime SDK for .NET
ローカル サーバー
ローカル サーバーも同様にバージョン 100.5.0 がリリースされています。バージョンを合わせてご利用ください。
実行環境
・Forms より iOS をご利用になる場合には、iOS 11 以上がサポート対象の実行環境となります。
・バージョン 100.5.0 から、ARM32 アーキテクチャ用の UWP アプリ開発のサポートを廃止しました。
・Visual Studio 2019 がサポートする開発環境として加わりました。
本記事では主要な項目についてご紹介しましたが、各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート (英語) をご覧ください。
■関連リンク
ArcGIS Runtime SDK
・ESRIジャパン Web サイト: Android / iOS / .NET
・Esri社(米国)Web サイト: Android / iOS / .NET