Survey123 for ArcGIS バージョン 3.5 の新機能紹介

フィーチャ レポート

6 月 28 日に、調査票形式の現地調査アプリである Survey123 for ArcGIS バージョン 3.5 をリリースしました。今回のバージョン アップで追加された主な新機能を本ブログでご紹介します。

Survey123 Web サイト

レポートの作成 – フィーチャ レポート

ベータとして提供されていた「フィーチャ レポート」機能が正式に実装されました。フィーチャ レポートは Survey123 のデータ属性を元にレポートを生成する機能です。レポートにはデータの属性、地図、写真などを入れることができ、一度に 1 レポートのみ作成することも、まとめて複数作成することもできます。

レポートのレイアウトは Microsoft Word 形式のレポート テンプレートをダウンロードし、フォント、ヘッダー、フッターなどの設定をカスタマイズすることで自由に変更できます。カスタマイズした Word ファイルをフィーチャ レポートに再度アップロードして利用します。

フィーチャ レポート

調査票の [データ] ページにアクセスできる組織内のユーザーは誰でもレポートを作成することができます。フィーチャ レポートを作成できる権限はデフォルトですべてのユーザー タイプに付与されます。 ただし、カスタム ロールには新しいフィーチャ レポート権限が自動では付与されないので、[組織] → [設定] → [メンバー ロール] でカスタム ロールを選択し、[プレミアム コンテンツ] カテゴリー内の [フィーチャ レポート] のチェックをオンにしてください。

フィーチャ レポート権限設定

注意: 現状ではレポートの作成にはクレジットを消費しませんが、次の ArcGIS Online のアップデート (2019 年 10 月の予定) から、1 レポート ファイルにつき 2.5 クレジット消費する予定です。

調査票の受付時期の設定

従来までは、一般公開した調査票を非公開にしたい場合は、調査票の共有設定を変更することしかできませんでした。しかし、この方法ではユーザーが未公開になった調査票へアクセスすると、ユーザー名とパスワードを要求されてしまうという点で課題がありました。

[共同作業] タブに追加された新しい [調査ステータス] の設定では、調査票で回答を受け入れるか (オープン)、受け入れないか (クローズ) のステータスと、受け入れる期間を設定できるようになりました。

調査票の受付時期の設定

調査票がクローズされているときに、調査票にアクセスしたユーザーに表示するメッセージや画像、リンクを自由に設定できます。

クローズ時のメッセージ

注: この機能は、現在は Web ブラウザーから調査票へアクセスする場合にのみ動作します。モバイル デバイスにインストールする Survey123 フィールド アプリには、今後のリリースで実装される予定です。

複数回の回答を防ぐ設定

一般公開されたアンケートなどで、同じ人が何回も回答を送信できないようにする設定が加わりました。 [共同作業] タブで、[送信者ごとに 1 回の送信しか許可されません] を選択すると、下記のようなメッセ―ジを表示して送信を 1 回に制限できます。

複数回の回答を防ぐ設定

ただし、匿名ユーザーがアクセスできる一般公開された調査票では、送信回数をブラウザーの Cookie を使用して判断するため、ユーザーがブラウザーのキャッシュを削除した場合やプライベート モードで入力を行う場合は、1 回のみの送信を厳密に制限することはできません。

回答者が ArcGIS Online にサイン インして調査票に回答する場合はユーザー名で判断されるため、複数回の回答を確実に防止することができます。

注: 複数回の回答を防ぐ設定も、現在では Web ブラウザー上で入力する際にのみ有効です。

[データ] ページでの関連テーブルの表示

Survey123 Web サイトの [データ] ページでは、送信されたデータをマップやテーブル上で確認できます。今回のリリースでは、関連テーブルをテーブル ビューで別タブに表示し、関連先のレコードをハイライト表示することができます。

関連テーブルは Survey123 Connect で質問をグループ化して複数繰り返す repeat の質問を設定することで作成できます。

[データ] ページでのデータの編集

テーブル内のセルをダブルクリックしてデータの値を編集できるようになりました。この機能は調査票の所有者のみ利用できます。

Survey123 Connect & フィールド アプリ

フィールド アプリと Connect の外観がきれいに整えられたのに加え、下記の機能が新たに追加されました。

写真のウォーターマーク

撮影した写真に日付、緯度経度、カメラの方向などの情報を自動で追加するウォーターマーク機能が使用できるようになりました。ウォーターマークを配置する場所や、フォントの色やサイズなどの書式は自由に設定できます。

グリッド テーマ

グリッド テーマでは 1 行に複数の質問を配置できるので、紙の調査用紙により近い調査票を作成できます。タブレットやコンピューターのディスプレイといった広い画面で表示するのに適しています。

グリッド テーマ

注: 現状ではグリッド テーマは Survey123 フィールド アプリでのみサポートしています。Web ブラウザーでの入力には今後のリリースで対応する予定です。

プレビュー形式の拡充

Survey123 Connect で作成した調査票のプレビューをさまざまな端末や画面のサイズで表示できるようになりました。

プレビュー形式の拡充

制約と必須メッセージ

制約 (Constraint) と必須 (Required) の設定を行うことにより、範囲外の値の入力の禁止や、必須項目を空欄のまま送信することを防ぐことができます。従来では、不適切な回答を送信マークをタップして送信しようとすると、設定したメッセージがポップアップ ウィンドウに表示されていましたが、今回のバージョンからメッセージがインラインで表示されるようになりました。質問が赤く囲まれ、どの質問の回答を修正すべきかわかりやすくなりました。

制約と必須メッセージ

今回のバージョンでは新機能の追加以外にもたくさんの不具合修正が含まれています。詳細は Survey123 ヘルプをご参照ください。

フォローする