2021 年 4 月 14 日に、クラウド GIS である ArcGIS Online がアップデートされました。主な機能追加・機能改善の内容をご紹介します。
コラボレーションの機能拡張
「パートナー コラボレーション」を使用して、2 つ以上の ArcGIS Online 組織の間でパートナーシップを構築することができます。パートナーシップが設定されると、組織はグループを通じて緊密かつ安全に作業を行うことができます。
異なる組織のメンバーは、共有の更新グループを通じて、一緒にマップやアプリを作成することができます。コラボレーションへのコンテンツの追加は、グループの所有者と管理者に限定することができるため、適切なコンテンツを選別して共有することができます。
組織の管理者および適切な権限を持つメンバーは、組織の設定の [コラボレーション] タブでコラボレーションを開始し、管理することができます。
また、新しいデフォルトのロール「ファシリテーター」が導入されました。ファシリテーターは、コラボレーション コーディネーターとして、コラボレーション グループの作成と管理、他の組織のメンバーのグループへの招待、共有の更新グループの作成を実行できます。
新しい Map Viewer
これまでベータ版として提供していた Map Viewer が正式にリリースされました。主な機能は以下の通りです。
- スケッチ レイヤーを使用して、地図上の任意の場所にフィーチャを描画またはスタンプを配置
- シンボルやポップアップの構成における、レイヤー間の切り替え時の UI の改善
- フルスクリーン モードによるマップ表示範囲の最大化
- チャートの作成 (ベータ版)
従来の Map Viewer は Map Viewer Classic に名称が変更になり、期間限定でプライマリ ビューアーとして使用されます。組織の管理者またはユーザーは、組織またはユーザーの設定により、新しい Map Viewer をプライマリ ビューアーとして設定することができます。組織の設定で、新しい Map Viewer をプライマリ ビューアーにするには、[組織] タブ → [設定] タブ → [マップ] タブで設定します。
新しい Map Viewer の詳細は、後日、本ブログでご紹介します。
新しい ArcGIS Dashboards
これまでベータ版として提供していた ArcGIS Dashboards が正式にリリースされました。以下の新しい機能を利用できます。
- ArcGIS Arcade を使用した高度な書式設定とデータ表現
- 選択ベースの表示構成による、選択されたエレメントのみの表示
- ダッシュボードの読み込みとマップ描画のパフォーマンス向上
従来のダッシュボードは ArcGIS Dashboards Classic に名称が変更になり、引き続きご利用いただけます。
新しい ArcGIS Dashboards の詳細は、後日、本ブログでご紹介します。
ArcGIS Notebooks のスケジュール実行
ArcGIS Online の ArcGIS Notebooks を設定された時間または定期的にスケジューリングできるようになりました。ルーチン タスクの自動化、大規模または長時間の処理の業務時間外の実行、またはデータセットの定期的な更新を行うことができます。
また、ノートブックで作業しているときに、ノートブックのスナップショットを作成して現在の状態をキャプチャすることができるようになりました。キャプチャした状態にノートブックを復元するか、スナップショットをノートブック アイテムとしてダウンロードするかを選択できます。
スケジュール実行はノートブックの [タスク] で、スナップショットは [スナップショット] で管理することができます。
※ノートブックのスケジュール実行では、すべてのノートブック タイプでクレジットが消費されます。
ホーム ページのカスタム カラー テーマ
新しいホーム ページ エディターで、プリセットまたはカスタム カラー テーマを使用してホーム ページをカスタマイズできるようになりました。設定済みの色テーマは 8 種類 (グレー、茶、青、緑、黄、オレンジ、赤、バイオレット) あり、切り替えるだけで簡単に色を適用できます。
また、カスタム テーマを作成する場合は、文字の読みやすさを確保するために、選択した色のコントラスト比をチェックし、アクセシビリティ基準を満たしているかどうかが通知されるようになりました。
構成可能なアプリ
構成可能なアプリを使用すると、マップにテンプレートを適用するだけで簡単にアプリが作成できます。その中でも Instant Apps は、最新の合理的な設定方法が採用されており、高速セットアップ モードを使用して素早く簡単にアプリを作成することができ、完全セットアップ モードに切り替えて追加のツールや設定を選択することもできます。
Web アプリの作成ギャラリーに [Instant Apps の使用] カテゴリが設定され、簡単にこれらのアプリにアクセスできるようになりました。また、新しい Map Viewer からも、すぐに作成することができます。
3D ビジュアライゼーション
Scene Viewer で標高断面図を作成できるようになりました。地形や他の 3D オブジェクトの高さを比較することができます。標高断面図は、シーン内でラインを描画するか、既存のラインを選択することで作成できます。
Scene Viewer で影を表示したときに、オブジェクトを選択すると、そのオブジェクトの影が強調表示されるようになりました。新しく建設予定の建物による影響範囲などがより分かりやすくなります。
Field Worker ユーザー タイプへの位置のトラッキング機能の追加
Field Worker ユーザー タイプに位置のトラッキング機能が追加されました。Field Worker は、アドオン ライセンスなしで位置のトラッキングを有効化し、Field Maps 上でトラッキングの記録と共有ができるようになりました。この変更は Field Worker ユーザー タイプに対してのみ行われ、他のユーザー タイプで位置のトラッキング機能を使用する場合は、従来通り ArcGIS Tracker アドオン ライセンスが必要です。
注) バージョンアップされた内容を確実にご利用いただくために、お使いの Web ブラウザーのキャッシュ (インターネット一時ファイル) を削除してください。主な Web ブラウザーのキャッシュ削除方法については、以下のリンク先をご参照ください。
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