2019 年および 2020 年の全国の人流オープンデータ(1kmメッシュ、市町村単位発地別)が国土交通省からG空間情報センターで公開されました。
このデータをダウンロードし、ArcGIS Pro で可視化してみました。
人流オープンデータは都道府県ごとに Zip ファイルでダウンロードできますが、この Zip ファイルの中に 2019・2020 年の CSV ファイルが月ごとにフォルダー分けされ、さらに同じ名称で存在しますので、これを 1 つのフォルダーや CSV ファイルにまとめることは少々手間がかかります。こういった場合、CSV ファイルを Windows エクスプローラー上で検索して一括選択し、ツールの入力データとすることで、階層の異なる大量のファイルであっても簡単に 1 つにまとめることができます。
人流オープンデータを 1 つのテーブル データにまとめたら、1 km メッシュ、市区町村のポリゴンを用意してテーブル結合します。ポリゴンはどちらも ESRIジャパンの Web ページから入手することができ、1 km メッシュは標準地域メッシュ (サポートサイトへのログインが必要です)、市区町村は全国市区町村界データを利用できます。テーブル結合する際には、キーとなるフィールドのタイプは同じである必要がありますが、一括でテーブル データをまとめた場合は結合前にテーブル データを多少加工し、キーとなるフィールドのタイプをポリゴンと統一する必要があります。テーブル データにまとめる前に schema.ini (リンクへのアクセスはサポートサイトへのログインが必要です) を作成して、読み込む CSV ファイルのフィールド タイプを指定することも可能です。
結合後にデータを使いやすいように適宜加工し、メッシュ・市区町村のデータが完成です。
では、2019 年と 2020 年のデータを見比べてみましょう。
4 月の平日昼間に同一都道府県かつ異なる市区町村からの平均滞在人口と
4 月の平日昼間に関東ブロックかつ異なる都道府県からの平均滞在人口を見てみます。どちらも 2019 年のほうが平均滞在人口が多いことがわかります。
メッシュで平日昼間の平均滞在人口を見ても同様です。2020 年 4 月は緊急事態宣言が出されましたが、人の動きが減っていることが見て取れます。
オープンデータとして利用できるデータは 1 kmメッシュ、市区町村単位の 2 年分ですが、これらのデータより狭いメッシュ範囲や 2018 年以前のデータをご利用になりたい場合は、ESRIジャパンの GISデータストアから有料で購入することも可能です。
現在は様々な場所でオープン データを入手することができます。ArcGIS Pro や ArcGIS Online を使用して、オープン データの可視化にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。