ArcGIS を使う中で「このデータがすぐに使えたらいいのにな」と思ったことがある方もいらっしゃると思います。ESRIジャパンは ArcGIS Living Atlas of the World と呼ばれる、ArcGIS Online 上の優良なコンテンツのみを提供するカタログ サイトへのコンテンツ提供を進めており、2021 年 10 月時点で 300 を超える日本地域のコンテンツ (全世界では 10,000 以上のコンテンツ) が登録されています。
その取り組みの一環として、気象庁のアメダス観測所および最新時刻の観測値を把握できるコンテンツを追加しましたので、その詳細と使用方法をご紹介します。これらのデータは ArcGIS ユーザーは無償で利用できます。
提供コンテンツ
以下の 5 種類のコンテンツを Living Atlas 上で提供しています。最新観測値を保持するレイヤーは 10 分間隔、履歴観測値を保持するレイヤーは 1 時間間隔でデータが更新されます。
最新観測値のレイヤーは上記以外にも、他の種類の観測値が含まれるため、目的に応じてシンボル設定を変更することも可能です。
名称 | 説明 |
アメダス観測所 | 気象庁のアメダス観測所を可視化したレイヤー |
気温 – アメダス (最新観測値) | 気象庁のアメダスの最新時刻の観測データを気温でスタイル設定したレイヤー |
1時間降水量 – アメダス (最新観測値) | 気象庁のアメダスの最新時刻の観測データを1時間降水量でスタイル設定したレイヤー |
風向・風速 – アメダス (最新観測値) | 気象庁のアメダスの最新時刻の観測データを風向・風速でスタイル設定したレイヤー |
アメダス (履歴観測値) | 気象庁が提供するアメダスの毎正時ごとの観測値を過去約 1 週間分保持したレイヤー |
※ アメダスは観測所によって観測している項目が異なります。詳しくは、気象庁 | アメダス (jma.go.jp) をご参照ください。
アメダス (最新観測値) レイヤーに含まれる属性一覧
- 気温
- 湿度
- 日照時間 (10 分間/1 時間)
- 降水量 (10 分/1 時間/3 時間/24 時間)
- 風向、風速
- 現地気圧/海面気圧
- 視程
使用方法
Living Atlas で「アメダス」と検索すると該当のコンテンツをフィルタリングし、ArcGIS Online や ArcGIS Pro などの各種製品上にデータをすぐに追加することができます。具体的な操作方法は、ArcGIS Online の Living Atlas を利用する | ArcGISブログ (esrij.com) をご参照ください。また、ご利用する際は各アイテムの利用規約のご確認もお願いします。
ArcGIS × アメダスデータで広がる活用法
ArcGIS では、自由に様々なデータを重ね合わせて簡単に連携することができます。たとえば、Living Atlas 上に登録されている土砂災害警戒区域データや気象オンラインサービス (ゲヒルン版) で提供される各種災害リスクデータとアメダスデータを地図上に重ね合わせることで、分かりやすく表示することができます。
気象オンライン(ゲヒルン版)で提供する台風解析・予報情報とアメダスの風向・風速を重ね合わせた例
さらに、ArcGIS ではノンコーディングでアプリケーションを構築することのできる ArcGIS Dashboards や ArcGIS Experience Builder などの Web アプリ構築キットを提供しています。これらの Web アプリ構築キットを利用してアプリケーションを設定のみで構築すると、たとえば以下のようなダッシュボードを簡単に構築できます。
アメダス ダッシュボード:マップ上でアメダスの最新観測値とチャートで過去の観測値の推移が確認できるダッシュボード (マップをクリックするとアプリが開きます)
今後もアメダスの観測値のようなリアルタイムデータを ArcGIS Living Atlas of the World に拡充してまいりますので、どうぞご期待ください。
■関連リンク
・Living Atlas of the World | ArcGIS
・気象オンラインサービス(ゲヒルン版) | ESRIジャパン (esrij.com)
・気象オンライン(ゲヒルン版)に台風の最大風速・中心気圧などの勢力情報を追加しました! | ArcGISブログ (esrij.com)