ArcGIS Pro での土量計算

2021 年は豪雨による影響で、各地において土砂災害が多く発生しました。災害により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

多くの山々がある日本では、その地形と気候の影響で特に土砂災害が起こりやすい傾向にあります。また、内閣府防災情報ホームページによると、急傾斜地や盛土地などの地質が不安定な場所では豪雨などによって土砂災害が起こりやすいとされています。

本ブログ記事では土砂災害対策の一環として、ArcGIS Pro を使用した土量計算の方法を 2 つご紹介します。

[切り盛り] ジオプロセシング ツールの使用

ArcGIS 3D Analyst または ArcGIS Spatial Analyst エクステンションをお持ちの場合は [切り盛り] ジオプロセシング ツールを使用して、サーフェスの容量の変化を計算することができます。2 つの DEM を比較して、サーフェス上にある土量の面積と体積の変化を算出し、それらの変化があった場所を示すラスター データを作成することができます。比較対象の入力データとして、切り盛り前のラスター データと切り盛り後のラスター データが必要です。

ツールを実行すると [体積増加]、[変化なし]、[体積減少] の 3 クラスに分類されたラスターが出力されます。

このラスターの属性テーブルは、切り盛りの体積と面積の計算結果が含まれています。

[探索的解析] の [切り盛り] ツール

[探索的解析] ツールの 1 つである [切り盛り] ツールでは、土砂の充填または除去における体積の算出ができます。

[解析] タブの [探索的 3D 解析] ドロップダウン リストから [切り盛り] ツールを選択し、[探索的解析] ウィンドウを開きます。

作成方法は [対話型の四角形]、[対話型のポリゴン]、そして [レイヤーから] が選択できます。[対話型の四角形] を選択すると、シーン上でクリックすることで対話的に切り盛り範囲を指定できます。範囲に基づいて、切り盛りの面積と体積、そして実体積が自動計算されます。以下の画像の例ではそれぞれピンクの部分が切り土、緑の部分が盛り土を表しています。

いかがでしたでしょうか。[探索的解析] ツールはエクステンションなしでもご利用いただけますので、ぜひお試しください。

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