ArcGIS Pro 3.0 に向けた準備のお知らせ

ArcGIS Pro 3.0 は 2022 年夏にリリース予定です。ArcGIS Pro 3.0 の利用開始に向けて推奨される事前の準備をお知らせします。

概要

  • ArcGIS Pro 3.0 は、様々な仕様変更が行われるリリースです。プロジェクト ファイルまたはデータセットを古いバージョンの ArcGIS Pro と共有する場合は、以下の内容とリンクされたドキュメントで詳細を確認してください。
  • ArcGIS Pro 3.0 をインストールするには、.NET 6 Desktop Runtime x64 が必要です。Pro 3.0 がリリースされたときのバージョンアップをスムーズに行うために、利用可能な最新バージョンをインストールしてください (ダウンロード サイト)。
  • 同時使用ライセンスで ArcGIS Pro を実行している場合は、ArcGIS Pro 3.0 に更新する前に、ライセンス マネージャーを ArcGIS License Manager 2022.0 に更新してください。My Esri からダウンロードできます。

ArcGIS Pro のバージョンの意味について

まず最初に理解していただきたいのは、ArcGIS Pro は「リリースおよびパッチ」のヘルプに記載されているように、セマンティック バージョン仕様に従っており、その最初の数字が変更されるとメジャー リリースになるということです。つまり、バージョン 3.0 で作成または保存した ArcGIS Pro ドキュメント (.aprx、.mapx など) を 2.x などの以前のメジャー バージョンで直接開くことはできません (以下の「変更点の影響」に記載するように、パッケージは使用可能です)。

なぜメジャー リリースなのか?

メジャー リリースに移行する主な理由は以下の 3 つです。

  1. Microsoft の長期サポート付き最新版である .NET 6 に更新する。
  2. 機能、パフォーマンス、品質の向上を図る。
  3. Pro API をリファクタリングして、一貫性、品質、使いやすさを向上させる。

.NET 6 (以前の .NET Core) は Microsoft の最新バージョンであり、Esri および他の ArcGIS Pro 開発者は将来の開発と機能拡張に対応できる体制を整えています。また、一部のサードパーティ製コンポーネントは、今後コントロールを .NET 6 でしか更新しないため、ソフトウェア開発コミュニティの最前線を維持することが必要です。

メジャー リリースへの移行を決定したことで、ArcGIS Pro の他のマイナー バージョンとの互換性を維持しながら、他の方法では不可能だった機能、パフォーマンス、および品質の改善を実施する機会を得ることができました。

最後に、ArcGIS はサードパーティの開発者に可能な限り最高のパブリック API を提供するよう努めています。ArcGIS Pro SDK でより優れたものに置き換えられたクラスや関数を削除するために、時折内部をきれいにする必要があります。メジャー リリースは、このような必要な API の変更を行う機会を提供します。

変更点の影響

メジャー リリース内 (2.6 から 2.9 へなどのマイナー バージョンの変更) では、プロジェクト ファイル (.aprxs) およびレイヤー ファイルやマップ ファイルなどのその他の Pro のドキュメント ファイルには、前方および後方互換性があります。ArcGIS Pro 2.9 でプロジェクトを作成し、そのプロジェクトを ArcGIS Pro 2.6 を使用するユーザーに共有し、開くことができます。もちろん、2.9 の機能は 2.6 には存在しませんが、ドキュメントは両方のバージョン間で問題なく使用することができます。

ArcGIS Pro 3.0 で作成または保存したプロジェクトを ArcGIS Pro 2.x で直接開くことはできません。ArcGIS Pro 3.0 にアップデートした後、以前のバージョンで作成したプロジェクトを初めて保存すると、次のようなメッセージが表示されることがあります。

SaveWarning

以前のバージョンの ArcGIS Pro で作成したプロジェクトを 3.0 で保存する際に表示される警告

しかし、3.0 のプロジェクトを以前のバージョンで直接開くことができないだけで、必要であれば 2.x でアクセスすることは可能です。プロジェクトを保存した後、何らかの理由で 2.x で開けるようにする必要がある場合は、プロジェクト パッケージを作成します。レイヤー パッケージ、マップ パッケージ、プロジェクト パッケージには、2.x と 3.x の両方のコンテンツが含まれます。

さらに万全を期したい場合は、ArcGIS Pro 3.0 で現在のプロジェクトを操作する前に、[名前を付けて保存] を使用して 2.x プロジェクトのコピーをバックアップとして保存してから 3.0 で保存してください。

つまり、パッケージ化によって ArcGIS Pro 3.0 ユーザーは 2.x ユーザーとプロジェクトを共有できますが、全員が同じメジャー バージョン内で作業しているときほどコラボレーションはシームレスに行われません。このため、プロジェクトで一緒に作業するユーザー グループについては、ArcGIS Pro 3.0 へのアップデートを調整することを検討してください。

ArcGIS Pro 3.0 にアップデートする前に考慮すべきその他の詳細については、「ArcGIS Pro 2.x から 3.0 への移行」をご参照ください。

新機能を一足早くご紹介!

この記事の情報で、2022 年夏にリリースされる ArcGIS Pro 3.0 へのアップデートの準備に役立てていただければと存じます。3.0 のリリースは新機能が主な目的ではありませんでしたが、素晴らしい新機能も提供しています。最新バージョンの Pro の新機能は、ArcGIS Pro 3.0 の新しい学習ページでいつでも確認することができます。

NewLearnPage

ArcGIS Pro 3.0に専用の学習ページが登場

その他に追加される機能としては、ジオコーディング ツールのクレジットの推定があります。これにより、ツールを実行する前に World Geocoding Service を使用する際のクレジット消費量を把握することができます。

ジオプロセシング ツールでは、入力レイヤーに選択やその他のフィルターが適用されている際、処理されるレコードの数を知らせる情報チップが表示されます。また、リボンやショートカット メニューからアクセスするよく使うツールについては、ツール パラメーターのメモリやオートフィルが表示されます。

GPInformationTip

ジオプロセシング ツールでは、レイヤーに定義クエリ、時間フィルター、レンジ フィルター、選択があるかどうかに基づいて、処理されるレコード数が情報ヒントとして表示される

レポートへのマップの追加、アイテム ID を維持したままの Web シーンの保存、スタンドアロン テーブルの時間サポート、レイアウトとマップのエクスポート プリセット、色覚特性シミュレーターなどは、ArcGIS Pro 3.0 の新機能のほんの一例にすぎません。

ColorVisionSimulator

さまざまなタイプの色覚特性を持つ人が、地図、レイアウト、レポートがどのように見えるかのシミュレーション可能に

これらの機能の多くは、ArcGIS Ideas でユーザーから寄せられた要望の中から採用されたものです。まだ Esri Community に参加していない場合は、ArcGIS Pro Ideas にアクセスして ArcGIS Pro で実現したいアイデアを検索し、Kudos (いいね!) を送ったり、その機能が重要である理由を追加したりして参加するか、探しているものが見つからない場合は独自のアイデアを作成してください。

ArcGIS Pro 3.0 のリリースにご期待ください!

※上記の内容は米国 Esri 社のブログ記事「Get Ready for ArcGIS Pro 3.0」を翻訳・加筆したものです。

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