2022 年 8 月 11 日(日本時間 8 月 12 日)に ArcGIS Drone2Map 2022.1 がリリースされました。
今回のリリースでは、3D 点群の品質、3D メッシュの生成、およびオルソモザイクの生成を改善するために新しい処理エンジンが実装されました。よりリアルな 3D データの作成が可能になりました。ここでは、いくつかの新機能についてご紹介します。
目次
熱画像処理
Drone2Map の新しい熱赤外テンプレートを使用して、マップ上で温度値を可視化することができます。熱赤外線カメラを使用して撮影した画像を処理することで、摂氏または華氏のいずれかで温度を表すオルソモザイクを作成できるようになりました。このような気温の変化は、建物やインフラ設備の点検、畑の灌漑用水の漏れや農作物の状況把握などに活用することが可能になります。
© SENSEFLY 2022 SENSEFLY DUET T THERMAL MAPPING CAMERA サンプルデータ
マルチスペクトルカメラのサポート
MicaSense RedEdge や Altum などのカメラを使用して撮影されたマルチスペクトル データに対して、データの定量分析を改善するためのツールを利用できるようになりました。放射量キャリブレーションパネルは、空撮前に撮影した校正板の画像を基に反射率を算出することができます。補正した反射率を用いて NDVI 値などの指数画像を作成することが可能になります。
© 2021 AGEAGLE SENSOR SYSTEMS INC., D/B/A MICASENSE. ALTUM COMPLETE FLIGHT サンプルデータ
品質管理のための前処理ツール
オルソモザイクの結果を改善するための補正機能が利用できるようになりました。水面や海面などの光による散乱や反射の強いピクセルは、モザイクされると白く荒いピクセルとして表現されますが、水域マスクを利用するとそういったピクセルを修正することができます。他にも修正フィーチャ ツールは、オルソモザイク全体を再処理する代わりに、関心領域内にあるタイルのみを修正することで再処理時間の短縮が可能になります。
再設計されたカメラの編集ウィンドウ
カメラの編集機能が機能強化されました。カメラの編集機能では、入力画像の EXIF 情報から得られるカメラ パラメーターの情報を編集することができます。今回の機能強化では、キャリブレーション済みのカメラ設定を処理済みプロジェクトから読み込むことができます。また、事前に保存されたカメラ モデル ファイルをすばやく読み込むことが可能になります。
アニメーションの作成
生成した 2D データや 3D データをガイド付きツアーのようにアニメーションを作成することができるようになります。作成したアニメーションは、新しいレポート ツールとして活用することができます。ファイルはさまざまな形式でエクスポートすることができ、プロジェクト データの直感的で動的な表示を組織内外、さまざまな人と共有することが可能です。
オフライン ヘルプ
Drone2Map はオフライン環境での操作も可能なデスクトップ アプリケーションです。インターネット環境が無い場合でも操作について調べることができるオフライン ヘルプが利用できるようになりました。
ライセンス情報
バージョン 2022.1 より Drone2Map は Standard と Advanced の 2 つのライセンス レベルに分割されました。ライセンス レベルによる機能の違いについてはライセンスページをご参考ください。
関連リンク
- ArcGIS Drone2Map ライセンス変更のお知らせ
- GIS基礎解説:ドローン
- GIS基礎解説:写真測量