デジタル庁のアドレス・ベース・レジストリを使って町字一覧検索アプリを作ってみた

ベース・レジストリとは?

「ベース・レジストリ」とは、公的機関等によって管理され、様々な場面で参照される社会の基盤となるようなデータベースを指します。

ベース・レジストリを整備してデータを標準化することで、行政手続きのコストカットや民間のデータ利活用につながり、社会全体として様々なメリットが期待できます。

アドレス・ベース・レジストリとは?

「アドレス・ベース・レジストリ」とは、個人の住所、法人の所在地、地番などの「アドレス」に関するベース・レジストリを指します。

日本の住所や所在地の情報は様々なシーンで使われていますが、表記ゆれが大きく、デジタル化を推進する上で大きな障壁となっています。

また住所表記や地番表記など、管理機関によって表記のルールが異なるため、標準的な一元管理ができていない状況です。

そうした状況を解消するため、令和 3 年 5 月より、「アドレス」がベース・レジストリに指定されることとなり、まずは町字レベルのマスターデータが整備されました。

アドレス・ベース・レジストリを活用した町字一覧検索アプリを作ってみた

公開されたマスターデータは試験版という位置づけとなっており、まずはオープンデータとして公開して広く意見を集めるというステージにあります。(2022 年 12 月時点)。

せっかくなので、この公開された町字マスター(CSV データ)を使って、GIS のアプリケーションが作れないか検討してみました。

自治体によっては、町字の一覧や地名の変更履歴などが書面(PDF など)で公開されており、地図が掲載されていないことがあります。そこで今回は実用面も意識して、町字マスターを利用した町字一覧の検索アプリを作ってみました。

町字一覧検索アプリを見る

<使い方>

左側のフィルタを使って、都道府県、市区町村、市区町村以下を絞り込むことで、該当地域の町字と地図情報が確認できます。
※ベース・レジストリ データカタログの都合上、一部地域では郵便番号が空欄となっています。

使用した製品

ArcGIS Dashboards

使用したデータ

・都道府県界:全国都道府県界データ 2022(Esri ジャパン)
・市区町村界:全国市区町村界データ 2022(Esri ジャパン)
・町字マスター:日本 町字マスター データセット(デジタル庁)
・町字マスター位置情報:町字マスター位置参照拡張データセット(デジタル庁)
※町字マスター位置参照拡張データセットは都道府県別に分かれているので、全国分でマージしました。

データベースの構成

データベースの構成は下図の通りです。

アドレス・ベース・レジストリのデータ(2022 年 12 月時点)を使ってみて感じた課題

町字マスターに市区町村コードがあると便利

市区町村界とアドレス・ベース・レジストリの町字マスターを紐づけるためには、市区町村コードが必要でしたが、町字マスターには市区町村コードが含まれていませんでした。

そこで今回は、町字マスターに含まれる全国地方公共団体コードを使って、市区町村コードを作成しましたが(全国地方公共団体コード 6 桁のうち、最初の 5 桁は市区町村コード)、町字マスターに市区町村コードがあれば、よりデータ連携がスムーズになると感じました。

町字マスター位置情報の全国版があると便利

町字マスター位置情報は、都道府県ごとにしかデータがないため、今回は全国分でマージする必要がありましたが、全国版があると、より使いやすくなると感じました。

郵便番号がもっと整備されると、さらに使いやすくなる

郵便番号のデータはまだ完全に網羅されておらず、地域によっては郵便番号のデータが欠落しているため、その点が解消されると、より使いやすくなるなと感じました。

デジタル庁のアイデアボックス

デジタル庁では、「アイデアボックス」とよばれるオープンコミュニティサイトを提供しています。

政策やアイディアを共有・議論できるプラットフォームとなっており、募集中のテーマに対してはアイディアや意見を投稿できます。

テーマごとにアーカイブ化されているため、過去に投稿されたアイディアや意見を閲覧することができます。興味のある方は、のぞいてみてはいかがでしょうか。

デジタル庁アイディアボックス

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