ArcGIS API for JavaScript 3.x のサポート終了について

米国 Esri 社より ArcGIS Maps SDK for JavaScript 4.x の前身となる ArcGIS API for JavaScript 3.x がサポートを終了することが発表されました。本記事ではサポート終了に関する詳細な情報やサポート終了日についてご紹介します。

本記事は米国 Esri 社が ArcGIS Blog に投稿した「ArcGIS API for JavaScript, Version 3.x Retirement (esri.com)」を翻訳したものになります。

ArcGIS API for JavaScript 3.x は、2024 年 7 月 1 日にサポートを終了します。

15 年前に Esri が最初のバージョンの ArcGIS API for JavaScript をリリースして以来、開発者はこの API を使用して、世界中のさまざまな業種で強力な Web マッピング アプリケーションを構築してきました。この API のオリジナルのコード ベースは、開発者コミュニティで使用されただけでなく、ArcGIS Online、ArcGIS Enterprise、および ArcGIS で使用できる Web マッピング アプリケーションの Web マッピング エクスペリエンスも強化しました。2016 年には、完全に新しいコード ベースの、より強力でパフォーマンスの高い、最新の 2D/3D API を導入しました (現在は ArcGIS Maps SDK for JavaScript または単に JavaScript Maps SDK と呼ばれています)。当初、開発チームは 3.x の機能拡張を継続しながら、JavaScript Maps SDK を再設計し、現代的な機能を実現することに力を注いでいました。時が経つにつれ、3.x への注力度を大幅に下げ、最終的にはすべてのイノベーションを JavaScript Maps SDK に導入し、バージョン 3.x ではマイナー アップデートと重要なバグ フィックスのみをリリースしています。ここ数年、私たちは開発者に、すべての新しいアプリを JavaScript Maps SDK を使って構築し、3.x ベースのアプリの移行を検討するよう促しています。

FAQ

ArcGIS API 3.x for JavaScript がリタイアした場合はどうなりますか?

バージョン 3.x がサポート終了すると、API に対するバグ フィックスや機能拡張は行われなくなるため、 js.arcgis.com への 3.x API のデプロイは行われなくなります。また、製品サポートも終了となります。製品ライフサイクル サポート ポリシーをご参照ください。

3.x のドキュメント サイトと同様に、サポート終了した 3.x の API バージョンも引き続き CDN でホストしていきます。

ArcGIS API for JavaScript 3.x で作成したアプリケーションは、リタイア後も動作しますか?

はい。サポート終了後も、3.x API は米国 Esri 社の CDN にホストされるため、API に依存するデプロイ済みのアプリが壊れることはありません。ただし、前述のとおり、ブラウザーのアップデートにより、API のパッチでは対応できない新たな問題が発生する可能性があることを、開発者は念頭に置いておく必要があります。

今回の製品リタイアの影響を軽減するために、どのような対応をとればよいでしょうか?

カスタム Web アプリは、できるだけ早く移行し、ほとんどの場合、JavaScript Maps SDK を使用するように書き換える必要があります。これにより、アプリケーションは、最新のブラウザー技術に基づく優れたパフォーマンスや機能などの恩恵を受けることができます。また、私たちのアクティブなコードベースであるため、API で見つかった問題やブラウザーのアップデートによってもたらされる問題にも対応します。

Esri の設定可能なアプリおよびビルダーを使用して作成された 3.x ベースのアプリは、可能であれば ArcGIS Maps SDK for JavaScript をベースとするオプションに移行することを強くお勧めします。たとえば、ArcGIS Web AppBuilder および ArcGIS Configurable Apps で構築されたアプリは、ArcGIS Experience Builder および ArcGIS Instant Apps に移行してください。

ArcGIS Web AppBuilder のリタイアはいつになりますか?

ArcGIS Web AppBuilder には、3 種類のエディションがあります。

  • Web AppBuilder Developer Edition は、3.x API に合わせ、2024 年 7 月にサポートを終了する予定です。
  • ArcGIS Online の Web AppBuilder は 2025 年第 4 四半期にサポートを終了する予定です。
  • ArcGIS Enterprise の Web AppBuilder は、この発表時点で非推奨とされています。Web AppBuilder は、2025 年前半まで Enterprise の一部として提供されますが、その時点で引退し、Enterprise の新しいバージョンでリリースされなくなります。Enterprise の既存バージョンは、ArcGIS Enterprise の製品ライフサイクルに沿ってサポートが継続されます。

Web AppBuilder のサポート終了については、こちらのブログでご確認ください。

Map Viewer Classic と ArcGIS Configurable Apps はいつリタイアするのですか?

Map Viewer Classic と ArcGIS Configurable Apps の製品ライフサイクルは、別々に管理されています。現時点では、これらの製品のライフサイクル ステージに変更はありません。

ArcGIS Maps SDK for JavaScript への移行について

JavaScript Maps SDK の詳細

JavaScript Maps SDK は WebGL を搭載しており、従来の 3.x API を大幅に上回る性能を発揮します。その機能のポートフォリオは、3.x API を含む他のどの Web マッピング API とも比べものにならないほど充実しています。JavaScript Maps SDK にのみ実装されている機能の一部については、こちらの JavaScript Maps SDK ツアー、または Web サイトのドキュメントを参照してください。

移行に関するリソース

JavaScript Maps SDK はアーキテクチャとコーディング パターンが根本的に異なるため、3.x からソリューションを移行すると、多くの場合、アプリケーションの書き直しが必要となります。まだ移行されていないお客様にとっては、大変な作業であることは承知しておりますので、3.x のサポート終了プランと利用可能なリソースを共有し、お客様のプランニングと移行に役立てたいと思います。

JavaScript Maps SDK を使い始める準備ができている場合、例えば、学習を開始するための多くのリソースが用意されています。

  • チュートリアルチュートリアルは、JavaScript Maps SDK を使い始めるための基本的な知識を段階的に学ぶことができる演習です。
  • ファンダメンタルズコア コンセプト ガイドは、JavaScript Maps SDK を使ったプログラミングの基礎的な理解を深めるために、基本的なプログラミング パターンとアーキテクチャを説明しています。
  • 移行ガイド:3.x モジュール、プロパティ、イベント、および機能を JavaScript Maps SDK の実装にマッピングした低レベル機能マトリックスを、API リファレンスへのリンクと共に確認できます。
  • サンプル:サンプルを使用して、JavaScript Maps SDK の機能を体験することができます。

JavaScript Maps SDK の技術プレゼンテーション

JavaScript Maps SDK の多くのトピックをカバーするさまざまなプレゼンテーションをご覧になるには、JavaScript Maps SDK チャンネルをご覧ください。ここでは、特にスピードアップのために役立つプレゼンテーションを紹介します。

関連リンク

ESRIジャパン Web サイト

開発リソース集

米国 Esri 社 Web サイト

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