【WhereNext】リーダーはインテリジェンスなテクノロジーに投資する

経営者が人件費削減のために努力する一方で、多くのリーダーはテクノロジーへの投資を増やすことを計画しています。米国の投資会社 Battery Ventures 社の調査によると、54% のリーダーが次年のテクノロジー予算を増やすと予想しており、今後 5 年間では 75% のリーダーが増やすという調査結果が出ています。投資の最優先事項は、セキュリティ、データ、開発ツール、人工知能 (AI) であり、各分野において、地理的なアプローチはさらなる利益をもたらす可能性をもっています。

セキュリティ強化

サイバー攻撃の危険性は常に存在し、人や資産への脅威であるため、リーダーは組織のリスクを認識し、迅速に対応できるように準備しておきたいと考えています。有名なブランドをもつハイテク産業、小売業、製造業などの企業は、地理情報システム (GIS) を使って、こうしたリスクを特定し、理解しています。

また、Fortune 500 に名を連ねる企業の中には、世界各地の事業を統括するコーポレート・セキュリティ・センターを設立するところも増えています。GIS ベースの地図上で、経営陣は悪天候、犯罪事件、避難情報などの状況を監視しています。これらの地図で事態を一元的に可視化でき、セキュリティ チームが差し迫った脅威を認識し、従業員、顧客、資産の安全を守る活動に役立っています。

データの重要性

同社の調査によると、リーダーが最も優先的に投資するテクノロジーとして、データがランクインしました。データを分析することは、より良いサプライチェーン管理顧客サービス体験の向上、効率的な事業運営を支える原動力となっています。しかし、多くの企業にとって、膨大な量のデータを収集、分析、管理することは困難です。

GIS は、企業や顧客がいつ、どこで、なぜそのような行動をとるのかを明らかにすることで、さまざまなデータに関連する位置情報を明確にします。このようなロケーション インテリジェンスは、ビジネス分野だけでなく、公共分野の組織にとっても重要な情報を提供します。

世界最大の農業機械メーカー John Deere 社は、位置情報を利用して、顧客と彼らが生活し働く市場についてより深く理解しようとています。また、世界最大の独立系再生可能エネルギー企業であるリニューアブル・エナジー・システムズ社 (RES) は、プロジェクトの開発・建設のほぼすべての段階で GIS によるデータ分析を行っています。

開発ツールへの投資

Fortune 500 の企業がデータ分析やセキュリティ運用に GIS を活用する一方で、企業の開発者たちは、ロケーション サービスやロケーション インテリジェンスを利用して、事業者や消費者向けのアプリを強化しています。

GIS の位置情報サービスとマッピング ツールを統合することで、開発者は、標高マップ、衛星画像、経路案内などを組み込んだアプリを作成し、ユーザー エクスペリエンスを向上させることができます。

旅行中の景色を鮮明な画像と 3D マップで表現できる Relive のような個人向けアプリであっても、あるいは世界最大の化学工場内の物流を最適化するビジネス アプリであっても、GIS ベースのサービスは開発者ツールの中でもますます重要な機能になっています。

AI で意思決定を促進する

さらに、同社調査によると、AI も引き続きリーダーの間で投資の意欲が高く、企業は AI とロケーション インテリジェンスを統合することで、投資判断に自信を持つようになっています。銀行は、この技術を組み合わせることで既存支店の収益を追跡し、拡張候補地域の人口統計データを分析し、新規支店を開設する場所を予測することができます。ワイヤレスネットワーク プロバイダーは、ロケーション インテリジェンスと AI を使用して、通話障害やデッドゾーンを分析し、ネットワークの信頼性を向上させるために基地局を設置すべき場所を正確に判断する際に役立ています。

リーダーは、セキュリティ、データ、開発ツール、AI への投資を拡大することで、よりスマートな企業基盤を構築したいと考えています。ロケーション インテリジェンスは、重要な地理的な背景情報を追加することで、リーダーの投資を補完するものです。セキュリティ対策を最適化するにしても、新たな商圏場所を選ぶにしても位置情報を考慮することで、リーダーは投資の意思決定に自信を持つことができます。