簡単操作で商圏レポートを作成!ArcGIS Experience Builder の Business Analyst ウィジェットのご紹介

2023 年 2 月に、ノーコードで柔軟なデザイン構成の Web アプリを構築できるアプリケーション「ArcGIS Experience Builder」(以下「Experience Builder」) がアップデートされ、様々な新機能の追加や機能強化が行われました。

本ブログでは、今回のアップデートで正式版となり機能強化された「Business Analyst ウィジェット」(以下「BA ウィジェット」) の概要と機能をご紹介します。

BA ウィジェットとは?

BA ウィジェットは Experience Builder で使用できるウィジェットの一つであり、任意の場所から「インフォグラフィックス」を作成して人口や世帯などの統計情報を把握する機能を提供します。

インフォグラフィックスは、グラフやチャートを動的に表現することができ、市場の状況を直感的に把握することができる新しい商圏レポートです。
ArcGIS Business Analyst Web App (Advanced) を使用すると、独自のインフォグラフィックス テンプレートを構築し、Experience Builder の BA ウィジェットから利用できます。(カスタマイズ例)
過去に BA ウィジェットのベータ版を使用した Experience Builder アプリは修正が必要です。詳しくは、Esri Community のブログ記事 (英語表記) をご参照ください。

BA ウィジェットの機能

BA ウィジェットで利用できる機能をご紹介します。

モード

インフォグラフィックスの利用方法に応じて使い分けることのできる、2 種類のモードが用意されています。

ワークフロー モード

商圏を新しく作成するモードです。地図上での場所選択や住所検索した地点から商圏 (リング、運転時間、徒歩時間のいずれか) を作成し、自由にインフォグラフィックスを実行できます。

プリセット モード

既存の店舗などを持っている場合に使うと便利なモードです。手持ちの店舗一覧から場所を切り替えて、それぞれの店舗で同じインフォグラフィックスを作成し、アプリに埋め込むことができます。

たとえば、リスト上のポイントを選ぶだけで、商圏の作成およびインフォグラフィックスの実行までを自動で実行することができます。

他ウィジェットとの連携

以下のウィジェットに対してアクション トリガーを設定することで、BA ウィジェットと連携させることができます。

たとえば、マップ ウィジェットと BA ウィジェットを連携させると、マップ上で選択したポイントやポリゴンを起点に、インフォグラフィックスを実行できます。

東京都の市区町村ポリゴンを選択してインフォグラフィックスを実行

また、リスト ウィジェットと連携させると、リストを選択するだけで自動的にインフォグラフィックスを表示させることができます。

行政界の検索に対応

インフォグラフィックスを作成する入力データを指定する際に、都道府県や市区町村などの行政界を検索できるようになりました。

「東京都」で検索した場合の検索結果

ジオエンリッチメント ユーティリティの構成

「ジオエンリッチメント ユーティリティ」オプションを有効にすると、インフォグラフィックスを実行する権限を持たないユーザーでも BA ウィジェットからインフォグラフィックスを実行できるようになります。

インフォグラフィックスを実行するためには、通常 ArcGIS Online のプレミアム コンテンツである「ジオエンリッチメント」を利用する権限が必要です。上記ユーティリティを設定することで、この権限を持たない組織のメンバー (Viewer ユーザータイプ等) でも、BA ウィジェットからインフォグラフィックスを実行できるようになります。
2023 年 3 月時点では、Experience Builder アプリがパブリック公開されている場合、上記設定を行っていても BA ウィジェットにはアクセスできません。

サンプル テンプレート

Experience Builder アプリの作り方が分からない、デザインなどのアイデアが欲しいという場合は、Esri から提供されているサンプル テンプレート (英語表記) をご活用ください。

アプリの新規作成時に、テンプレートの選択画面にて [ArcGIS Online] タブを開き、「business analyst」 と検索ボックスに入力するとテンプレートを選択できます。

おわりに

本ブログでは、BA ウィジェットの概要および新機能をご紹介しました。今後、実際に BA ウィジェットを使用して Web アプリを構築する手順を交えて、具体的な活用法をご紹介する予定です。

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