ArcGIS Business Analyst インフォグラフィックス ギャラリーでより高品質で魅力的な商圏分析・マーケティング レポートを作成

商圏分析とは、商圏内の各種データを収集、分析を行うことで出店計画や販売戦略に生かしていく取り組みです。市場変化の激しい近年では、分析の精度を落とすことなく、迅速な商圏分析が求められています。
今回は、ArcGIS Business Analyst (以下「BA」) の商圏レポートであり、市場変化に対応したカスタマイズのできるインフォグラフィックスについてご紹介します。

はじめに

ArcGIS Business Analyst とは?

BA は商圏分析・エリアマーケティングに特化した機能群とデータを搭載し、出店戦略の構築やマーケット・営業テリトリーの最適化をサポートする GIS ソリューションです。

デスクトップ型の BA Pro とクラウド GIS サービス ArcGIS Online で利用できる BA Web and Mobile Apps が用意されており、自社の所有するデータや国内外の最新の統計データを基に人口統計解析や空間解析を実現できます。

インフォグラフィックスとは?

インフォグラフィックス (Infographics) とは、「Information」 + 「Graphics」 を融合させた造語で、言葉や数字だけでは伝わりづらい情報をイラストやチャートを使用することで魅力的に伝わるように変化させた伝達手法です。
BA ではグラフやチャートを動的に表現することのできる新しい形の商圏レポートとして提供しています。

これにより市場の状況を直感的に把握することができ、業務に不可欠な情報を洗練された形式で伝えることが可能になります。

BA Web App では、こうしたインフォグラフィックスがすぐに使えるようにギャラリーを用意しています。

インフォグラフィックス ギャラリー

ArcGIS Business Analyst インフォグラフィックス ギャラリーとは?

インフォグラフィックス ギャラリーは、BA Web App で利用できる、特定のデータセットや国向けに設計されたテンプレートのコレクションです。テンプレートは ESRIジャパンを含むグローバル パートナーによって作成されており、ギャラリーに表示されるテンプレートは選択したデータ ソースによって異なります。

ArcGIS Business Analyst インフォグラフィックス ギャラリーを使用するには?

利用方法は以下の通りです。
1. [レポート] タブから [レポートの作成] → [インフォグラフィックスの作成] を選択します。
2. [テンプレートの追加] → [ギャラリーの参照] をクリックします。
3. 利用したいインフォグラフィックス上で [追加] をクリックします。
4. [マイ テンプレート] タブ内にインフォグラフィックスが追加されます。

追加されたインフォグラフィックスは [マイ インフォグラフィックス] より実行できます。

なお、BA インフォグラフィックス ギャラリーは BA Web Advanced のライセンスをお持ちのユーザー様がご利用いただけます。ただし、BA Web Advanced ユーザーが保存し、共有することで BA Web Standard のライセンスを持つ組織内のユーザーも利用いただけます。2023 年 1 月現在では、アメリカ、フランス、日本でインフォグラフィックス ギャラリーを利用可能です。

インフォグラフィックス テンプレート集

インフォグラフィックス テンプレート集とは?

上記のインフォグラフィックス ギャラリーとは別で、ESRIジャパンでは、ESRIジャパンが作成したオリジナルのカスタム テンプレートをインフォグラフィック テンプレート集で公開しています。なお、テンプレート集で公開中のインフォグラフィックスは、BA Web Advanced ライセンスをお持ちでなくても利用可能です。

今回はその中からいくつかをご紹介します。

基本統計プロファイル

人口ピラミッドを中心に基本的な人口統計指標や推計年収等を可視化した標準インフォグラフィクス テンプレートです。
人口や世帯に関する平均的な情報に加えて、その内訳などデータの概要と詳細を把握することができます。

消費額プロファイル

家計調査を基に推計した消費額の合計値を可視化したテンプレートです。
世帯総数や消費総額はもちろんのこと、大分類ごとの消費額や食品別の消費額も一枚のページで詳しく把握することができます。

地価公示プロファイル

公示地価は一般の土地取引や相続税評価の目安の他、保有する土地の時価指標の基準や指標としても活用されています。本テンプレートでは、ArcGIS Living Atlas of the World 上で公開されている地価公示を基に平均公示価格および推移を可視化しました。

住宅地と商業地別で平均地価や上昇率が表示され、また [さらに探す] を開くことでより詳細なテーブルが表示されます。

新型コロナ流行前後の人流データ比較

新型コロナ流行前の 2019 年と流行後の 2021 年の滞在人口を比較したテンプレートです。
緊急事態宣言が初めて発出された 2020 年 4 月以降で「平日 (昼)」の滞在人口が激減していることがわかります。

使用する人流データは、G空間情報センターで公開されている「全国の人流オープンデータ」を ESRI ジャパンが加工・整備し ArcGIS Living Atlas of the World で提供している以下のデータです。

その他にもテンプレートを掲載していますのでぜひインフォグラフィクス テンプレート集をご参照ください。

インフォグラフィックス テンプレート集を使用するには?

上記で紹介したインフォグラフィックスは、サンプル テンプレートの利用申し込みをしていただくことでご利用いただけます。申し込み後、設定が完了すると BA Web App の「共有インフォグラフィックス」や BA Pro の「共有されたテンプレート」にテンプレートが追加されるため、任意のエリアに対して自由にインフォグラフィックスを作成することができます。

なお、申し込みには BA 製品の保守が有効な必要がありますので、ご注意ください。

おわりに

ご紹介した BA が提供するインフォグラフィックスを使うことで、より高品質な商圏分析・エリアマーケティング レポートを作成することができます。また、一から独自のレイアウトのテンプレートを作ることもできれば、既存のテンプレートを編集して、「手軽に」「素早く」分析を行うことも可能です。21 日間のトライアルをご用意しておりますので、是非お試しください。

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