目次
はじめに
江戸時代、庶民の旅が盛んになると、さまざまな名所を描いた浮世絵が流行しました。その中でも、葛飾北斎の「富嶽三十六景」や歌川広重の「東海道五十三次」は特に有名です。
これらは日本各地を描いたものですが、その場所は浮世絵を見るだけでは、日本のどこにあるのか?というのは、地名に詳しい人やその場所へ行ったことのある人でないと、すぐにわからないのではないでしょうか。
そこで、浮世絵が描かれた地点をマップ上にプロットし、その場所と浮世絵を連動して見られるマップを ArcGIS StoryMaps で作成しました。
このブログでは、各ストーリー マップについてご紹介します。実際のストーリー マップへのリンクも設定していますので、実際に操作してお楽しみください。
富嶽三十六景マップ
富嶽三十六景マップでは、浮世絵と現在のマップを連動させて表示しています。ポイントをクリックすると、そのポイントの周辺にマップが移動します。マップは、3D で移動や拡大縮小できます。
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また、スクロールすると表示される 3D シーンでは、衛星画像上に浮世絵のポイントと富士山の頂上までをつないだラインを表示できます。各ポイントをクリックするとその浮世絵を参照できるので、現在の景観と比較しながら楽しめます。
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東海道五十三次マップ
東海道五十三次マップでは、浮世絵と現在のマップを連動させて表示していますが、マップに少し工夫をしています。レトロな表現のベースマップを利用し雰囲気を出しているだけでなく、旧東海道のラインも追加しています。ラインには色がついていますが、ArcGIS Pro で 1 km ごとの平均傾斜角を算出し、急な角度になるほど赤色で表現しています。
「箱根の山は、天下の嶮」と唱歌『箱根八里』でも謳われていますが、箱根付近のラインは赤色になっており、その急な道のりを少し想像できるのではないでしょうか。
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このストーリー マップでは、おまけもついています。浮世絵と現在の実際の写真をスワイプで比較することができます。
スワイプも ArcGIS StoryMaps の機能で簡単に追加でき、マップ以外のものも組み込むことができます。
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名所江戸百景マップ
名所江戸百景マップは、浮世絵とマップを連動表示しているのは、他のストーリー マップと同じですが、百景の名の通り 119 枚の絵があるため、それぞれを春夏秋冬の部で分けて複数のマップで構成しています。
最後のマップではすべての季節のポイントをプロットしています。季節ごとの江戸の名所の傾向が読み取れるかもしれません。
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六十余州名所図会マップ
六十余州名所図会は日本各地にある名所の浮世絵で、日本古くからの行政区画である五畿七道の 68 ヶ国と江戸の名所絵 69 枚で構成されています。しかし、古い行政区画やその名前にはあまりなじみがないのではないでしょうか。
六十余州名所図会マップでは、その境界ポリゴンをマップに表示し、古い地名と現在の地名、周辺の地域との関係をわかりやすくしています。
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浪花名所図会マップ
浪花名所図会マップは、ここまで紹介した他のストーリー マップと同じく、ポイントとマップが連動した構成ですが、個々のメディア (ここでは浮世絵の画像) に帰属を追加しています。ここで使用した画像は、国会図書館デジタルコレクションから引用してきたものですが、そこで記載されていたクレジットを表示するよう構成しています。
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浮世絵ストーリー マップ コレクション
ここまで 5 つのストーリーマップをご紹介しましたが、すべて「浮世絵」というテーマが共通しています。そのような場合、一度に関連するストーリー マップを閲覧できると便利です。ArcGIS StoryMaps では、コレクションという機能で、作成したストーリー マップやコンテンツ (ArcGIS コンテンツ、Web ページ、各種ファイル) をまとめて表示できます。
浮世絵ストーリー マップ コレクションでは、5 つのストーリー マップが参照できます。
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その中の、1つを閲覧している場合は、上部にナビゲーションが表示され、タブでストーリー マップを切り替えて表示することもできます。
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今後、新しく浮世絵ストーリー マップを作成した場合は、このコレクションに追加していくことを予定しています。
ArcGIS StoryMaps への移行について
ESRIジャパンでは、以前からいくつかの浮世絵に関するストーリー マップを公開し、ご紹介していましたが、これらはストーリー マップ (Classic) で作成されたものでした。公開してすでに 10 年がたち、利用する Web ブラウザーなどの技術の進歩や、取り巻く環境も変化してきました。
以前の記事でもお伝えしていましたが、2023 年 10 月に既存バージョン サポートが終了し、現在は、開発終了バージョン サポートに移行しています。2025 年 10 月以降、Classic テンプレートは廃止される可能性があるため、新しい技術で構成された ArcGIS StoryMaps への移行が必要です。ArcGIS StoryMaps では、より直感的な操作でストーリー マップが構成でき、3D の表現が可能になっているなどのメリットがあります。
是非、過去に作成したコンテンツも ArcGIS StoryMaps で再構成してみてください。