ArcGIS Maps SDK for .NET、ArcGIS Maps SDK for Kotlin、ArcGIS Maps SDK for Swift の各 SDK の最新バージョン 200.4 を 2024 年 4月 11 日(日本時間 2024 年 4 月 12 日)にリリースしました。この記事では、バージョン 200.4 で追加された主要な機能や変更点について紹介します。
ArcGIS Runtime ライセンスパックをご購入の方は、2024 年 4 月 12 日以降保守有効なライセンスがアップデート対象となります。
目次
各 SDK (.NET/Kotlin/Swift) 共通のアップデート内容
Geometry Editor のスナップ機能
Geometry Editor では、ジオメトリをインタラクティブに作成および編集する際に、既存のフィーチャのスナップがサポートされるようになりました。スナップを使用すると、フィーチャのジオメトリをより簡単に作成でき、フィーチャ同士の重なりや隙間のエラーを避けて、インタラクティブな編集をより正確に行うことができます。
Feature Form での属性編集
Feature Form は、ArcGIS システム全体のフィーチャ属性の編集エクスペリエンスを合理化し、これまで編集可能なポップアップを使用していた Native Maps SDKs でフィーチャ属性を編集するための新しいフレームワークです。これにより、多くのコードを記述することなく、アプリに属性編集機能を追加する便利な方法が提供されます。このツールキット コンポーネントは、1 行および複数行のテキスト ボックス、複数選択コントロール(コンボ ボックスやラジオ ボタンなど)、オン/オフ スイッチ、日付ピッカー コントロールなど、入力属性値に応じた様々なコントロール タイプをサポートしています。
また、NULL 値が許容されるかどうか、デフォルト値が定義されているかどうか、フィールドに有効な値のリストが定義されているかどうかなどのデータ整合性に応じて、フォームがどの要素を含み、要素がどのように表示されるかを決定し、各編集可能フィールドを正しく編集操作できるようにユーザーをアシストします。
OGC 3D Tiles レイヤー
3D Tiles Open Geospatial Consortium (OGC) 標準は、3D 地理空間コンテンツのストリーミングとレンダリングのために設計された空間データ構造とタイルフォーマットのセットを定義しています。これは様々な業界で広く使用されており、OGC 3D Tiles レイヤーをサポートすることで、Native Maps SDKs で構築された 3D アプリの相互運用性がさらに向上します。
OGC 3D Tiles レイヤーは、サービス URL からの直接追加、サービス URL を参照するポータルアイテム経由、またはローカル ファイルの追加をサポートしています。3D メッシュ シーン レイヤーや 3D オブジェクト シーン レイヤーなどの OGC I3S 仕様に基づく既存の 3D レイヤー タイプを補完し、同様の動作をサポートし、インタラクティブな可視領域や見通し線解析などの機能に使用することもできます。
独自の 3D Tiles レイヤーの公開方法の詳細については、ArcGIS Online ドキュメントの「タイル レイヤー」のトピックを参照してください。
各 SDK 固有のアップデート内容
実行環境など、各製品固有のアップデート内容をご案内します。
ArcGIS Maps SDK for Kotlin
- オープンソースのツールキットを介して 2D MapViewと 3D SceneView コントロールの コンポーザブル バージョン(GeoView-Compose モジュール)が導入されました。Compose は、Kotlin で Android ネイティブ UI を構築するために推奨される最新のアプローチであり、Android での UI 開発を簡素化・高速化します。
ArcGIS Maps SDK for Swift
- iOS/iPadOS 15 のサポートが非推奨となりました。このバージョンをサポートする最後のリリースは 200.4 です。次のリリースでは少なくとも iOS/iPadOS 16 が必要になります。
- macOS Monterey (バージョン 12) のサポートが非推奨となりました。このバージョンをサポートする最後のリリースは 200.4 です。次のリリースでは、少なくとも macOS Ventura (バージョン 13) が必要になります。
本記事ではバージョン 200.4 の主要な項目についてご紹介しましたが、各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート(英語)をご覧ください。
ArcGIS Maps SDK for Flutter のベータリリースのお知らせ
最後に新しい SDK をご紹介します。現在最も人気のあるクロスプラットフォーム モバイルフレームワークの1つである Flutter は、1つのコードベースからネイティブ コンパイルされたマルチプラットフォーム アプリを構築するためのオープンソース フレームワークです。
Native Maps SDKs シリーズのひとつとして、ArcGIS Maps SDK for Flutter のベータ版がリリースされました。2024年11月には Native Maps SDKs のバージョン 200.6 で最初の正式版がリリースされる計画です。ベータ版への参加は、SDK のダウンロード、ドキュメント、フィードバック等を提供するためのフォーラムが用意されている Esri Early Adopter Community サイトから行えます。ベータ版の詳細は「ArcGIS Maps SDK for Flutter ベータ版の発表」のブログ記事をご覧ください。