ArcGIS Velocity 2024 年 6 月のアップデートの新機能

アイキャッチ画像 (ArcGIS Velocity)

IoT センサーやデータ ソース、その他 API などからデータを取り込み、リアルタイムのデータ フィードを処理、視覚化、解析することができる ArcGIS Velocity がアップデートされました。ここでは、2024 年 6 月のアップデートで追加された以下の新機能や機能強化をご紹介します。

  • 新しい Waze フィード タイプにより、通知、異常、交通などの様々な Waze 情報タイプを受信できるようになりました。
  • 新しい Samsara フィード タイプにより、Samsara API エンドポイント URL に HTTPS リクエストを送信することで、車両の現在地および関連する統計情報を取得できるようになりました。
  • HTTP 受信機および gRPC フィード タイプ用の共有オプションが追加されました。これにより、ArcGIS 認証を使用するときに、フィードが共有されているユーザーまたはグループが、共有フィードにデータを送信できるかどうかを選択できます。

Waze フィード タイプ

新しい Waze フィード タイプを使用すると、Waze API によって提供される様々な種類の情報を分析アプリや最新のアプリに簡単に組み込むことができます。下の図は、アラート データを Velocity に取り込み、履歴データに対してホットスポット分析を実行する例となります。

Waze の情報を分析やアプリに組み込むことで、リアルタイムのドライバー交通レポートを監視することができます。また、ユーザーから報告された問題領域を特定し、長期に渡りデータの分析を実行することで、データに基づく迅速な意思決定が可能となります。

Waze フィードは、ユーザーが定義した間隔で指定された Waze URL に対して、通知、異常、交通の 以下 3 種類の情報のいずれかを照会できます。

  • 通知には、事故、工事エリア、危険、渋滞、その他の問題、道路閉鎖など、Waze によって定義された様々な種類のアラートに関する情報が含まれます。
  • 異常には、多数の Waze ユーザーに影響を与えている警告や渋滞に関する情報が含まれます。
  • 交通には、警告 (Waze ユーザーによって報告されたインシデント) と渋滞 (Waze ユーザーの速度と場所によって判断された速度低下) に関する情報が含まれます。

Waze のデータ仕様や Waze との提携についての詳細は、「Waze データ フィード仕様」および「Waze との提携」を参照してください。既に Waze パートナーである場合は、Waze パートナー ハブにログインし Waze URL を見つけ、新しい Waze フィードを作成することで、簡単に使い始めることができます。

Samsara フィード タイプ

ArcGIS Velocity の新しい Samsara フィード タイプを使用すると、Samsara API に接続し、Samsara デバイスを備えたアセットからテレマティクス データを受信できます。Velocity フィード タイプは、API リクエストのページネーションを含む Samsara API との通信を自動的に処理します。さらに、Samsara フィード タイプを使用すると、Samsara API で許可されている 5 秒ごとにクエリを実行できます。このデータをマップやアプリで取得すると、アセットをリアルタイムで表示でき、保存された監視結果を分析して、パターン、傾向、異常に関する状態を詳しく把握することができます。

Velocity の Samsara フィード タイプは、Samsara v2 API エンドポイントへの GET リクエストをサポートしています。Samsara REST API の詳細と使用開始については、Samsara API ドキュメントの概要トピックを参照してください。

フィード共有オプションと認証サポートの改善

HTTP 受信機および gRPC フィード タイプでは、フィードの所有者が、フィードが共有されている組織内の他のユーザーまたはグループがフィードにデータを送信できるかどうかを選択できるようになりました。このオプションを表示するには、共有フィードが ArcGIS 認証を使用するように構成されている必要があります。これにより、組織内のコラボレーション オプションが拡張され、他のユーザーがこれらの共有フィードを柔軟に利用できるようになります。

上記の新しい共有オプションに加えて、HTTP 受信機フィードにデータを送信できるユーザーを保護するための別のオプションが提供されます。既存の認証タイプである「なし」と「ArcGIS」に加えて、基本認証のサポートが追加されました。

HTTP 受信機フィードにおける基本認証のサポート

データのフィールド名について

フィーチャ レイヤー (既存) またはフィーチャ レイヤー (新規) 出力のいずれかを使用して、リアルタイム データをフィーチャ レイヤーに送信する場合、フィーチャ レイヤーのフィールド名には 31 文字の制限があるため、フィールド名が 31 文字を超えるとフィールド名が切り捨てられることがあります。

このリリースでは、フィードまたはデータ ソースのスキーマを定義するときに、そのデータ内の 31 文字を超えるフィールドの横に警告アイコンが表示されるようになりました。フィーチャ レイヤー出力を使用している場合、フィールド名が長すぎるかどうかを事前に把握することで、新しいフィードまたはデータ ソースを作成する前に更新ができるようになりました。

参考情報

詳細については、ドキュメントの新機能をご参照ください。また、このリリースにおける不具合修正や機能拡張については、ArcGIS Velocity Issues Addressed List – June 2024 をご参照ください。製品に関するアイデア、拡張機能、機能に関する要望がある場合は、Esri Community の ArcGIS Velocity Ideas に投稿をお願いします。

ArcGIS Velocity の詳細については、製品ビデオ、チュートリアル、ドキュメントなど、利用可能なリソースをご覧いただければと思います。

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