2025 年 2 月 26 日 (日本時間 2025 年 2 月 27 日) に行われたアップデートで、ArcGIS Survey123 (以下「Survey123」) のバージョン 3.22 がリリースされました。主な新機能と機能強化を本ブログでご紹介します。
Survey123 とは?
Survey123 は、現地調査の準備、実施、集計作業という 3 ステップをシンプルかつ直感的な操作で行うことができる GIS アプリケーションです。Survey123 を利用すると、洗練された調査票を Web ベースで簡単に作成できます。マルチ デバイスに対応しており、あらゆる端末・環境からデータ収集が可能です。また、収集されたデータはリアルタイムで集計され、シームレスに利用できます。
ESRIジャパンでは、Survey123 の簡単な利用ガイドとして、「Survey123 スタートアップ ガイド」を公開しています。こちらも是非合わせてお読みください。
目次
Survey123 Web デザイナー
マップ ツール
Survey123 Web デザイナーを使用して調査票を設計する場合、マップ、住所、場所リストいずれかの質問を利用して位置データを取得できます。今回のアップデートではマップの質問で使用できるツールをカスタマイズできるようになりました。
これにより必要なツールのみを有効化でき、データの取得要件に合わせて調査項目を設定できます。カスタマイズ可能なマップ ツールは以下のツールです。
- 検索
- ホーム
- 座標入力
- ズーム
- 位置の特定
Z 値のサポート
調査票にマップの質問を追加し、[描画ツール] でポイントを選択した際に、Z 値対応のフィーチャ レイヤーを作成するオプションが追加されました。[Z 値の有効化] をオンにすることで、調査の公開時に作成されるホスト フィーチャ レイヤーの Z 値が有効化され、収集したポイントの位置の Z 値を含めることができます。
なお、このオプションは調査票に含まれるすべてのマップ (ポイント) の質問に適用され、調査の公開後に設定を変更することはできません。また、調査で Z 値を取得するには、スマートフォンや外部の受信機などで現在位置を取得し、調査端末で Z 値が参照可能な場合に限られます。
Survey123 Connect
送信用のホスト フィーチャ レイヤー ビューの作成
Survey123 Connect を使用して調査票を初めて公開する際、Survey123 Web デザイナーから公開する場合と同様に、送信用のホスト フィーチャ レイヤー ビューが自動的に作成されるようになりました。ホスト フィーチャ レイヤー ビューは「<調査のタイトル>_form」という名前で作成されます。
これにより、Survey123 Web デザイナーの [共同作業] タブ→ [調査の共有] の [送信者ができること] オプションを使用して、特定の送信者のアクセスを制御できます。
ArcGIS Online ではフィーチャ レイヤー ビューを使用して、基盤となるデータセットを変更することなく、データをさまざまな方法で視覚化し分析できます。また、機密情報を扱う場合は、調査のソース フィーチャ レイヤーを保護することが重要です。調査のフィーチャ レイヤーを非公開にして、フィーチャ レイヤー ビューを作成することで、共有と権限の設定をより適切に制御し、データのセキュリティと整合性を確保できます。 詳細は「ArcGIS Survey123 で取得した結果のアクセス制限」をご参照ください。
Survey123 フィールド アプリ
GNSS デバイス サポートの更新
Survey123 フィールド アプリでは外部の GNSS 受信機を接続し、現地調査を行うことで高精度な位置データを収集できます。今回のアップデートで以下の GNSS デバイスのサポートが追加されました。
- Emlid Reach RX (Android)
- Emlid Reach RX MFi (iOS、Android)
Emlid Reach RX は高精度の測量と GIS データ収集用に設計されたコンパクトで軽量な GNSS 受信機です。
また Leica GNSS 受信機が Android 12 以降のバージョンでも動作するようになりました。
GNSS 受信機の使用については「高度な受信機の使用」をご参照ください。
Survey123 の新機能の詳細はヘルプ (英語) をご参照ください。